本音。 - 2004年10月20日(水) 「あの人は亡くなる2日前にありがとうと言ってくれたのに、 亡くなる1日前に優しく手を握ってくれたのに、 自分は、優しい言葉の一つもかけることができなかった。 ありがとうと、言えなかった。 こんなに簡単な言葉なのに、どうして口から出てこなかったのでしょう。 それが悔やまれて仕方ありません。」 アンケート用紙の小さな空白に書き綴られた文字を目で追うだけで、 声や言葉だけではない、感情の一部を突き付けられるようで、酷く胸が痛かった。 何度もその文字を読み返しながら、 胸の内側から切なくなってゆくのをはっきりと感じる。 前に進むようにと創られたからには、時を遡ることは誰にも出来なくて。 かといって後悔の念が全く残らなかったり、残っても直ぐに消えるようなことはない。 残酷なほど長い間心を蝕み、消えない傷を残してくれる。 それがその人の歴史になるといえばそうだけど、 それに耐えられるかといったら 別の問題だ。 少なくとも、 こんな言葉を綴ってくださった方にとっては苦しくて仕方のない日々だと想うのだ。 毎日、眼を醒ましたら大切な人が隣にいなくって。 もう逢えないんだと実感したら、ハラハラと後悔の想いが降り積もる。 それはあまりにも辛すぎると思うのだ。 1年経っても悲しみが消えない現実。 奇麗事はいくらでも並べられるけど、 もう大丈夫だって嘘をつくこともできるけど、 でも本当は、辛くて苦しいのが本音だと思った。 ...
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