パノラマ島日記...奏太朗

 

 

アオイトリ - 2004年05月01日(土)

刺が刺さって痛くもないから
声も上げずに僕は泣いたんだ
生温かく酷く虚無がはしゃいで
「多分」もう触れられない君のことを
何度もリプレイする
何度も
優しい笑顔も
可愛い言葉も
意外な涙も
歪んだ泣き顔も
繋いだ体温も
───僕を恋≠壊した手紙も
僕がどんな人間かグロテスクに教えてくれましたね
掴もうとして逃げた手
ただ僕は君が大好きだっただけ
だから僕は泣いたんだ
痛くもない刺
蔓草の紅色の刺
モウ忘レタツモリデシタ
…でも
【ひとり】を吸い込む度に
君の最後の言葉を思い出して
僕は僕を風景から消去したくなります
【ひとり】に捕まらないように
そっと呼吸をします

…大好きだった君へ…


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