せきねしんいちの観劇&稽古日記
Diary INDEXpastwill


2008年06月13日(金) 腹ぺこ

 朝、母親が妹のところの犬、ラムを散歩のついでに家に連れてきた。
 まるまると太って、伸び放題に毛が伸びている。
 誰もこいつがトイプードルだとは思わないだろう。
 ちょっとした中型犬だ。
 ずいぶん久しぶりの会ったのだけれど、ちゃんと言うことを聞いて、お座りをする。
 さすが、犬。やっぱり猫とは違うな。

 「襤褸と宝石」でご一緒した三谷昇さんから色紙が届いた。
 直筆の言葉に花のイラストが添えてある。
 その言葉は、「2キレのパンあれば 1キレを喰いて もう1キレを 花に代えよう・・・ ギリシャ・詠み人知らず」というもの。
 「花に代えよう・・・」。いい言葉だなあ。
 これはたぶん、いつもお腹いっぱいの人じゃなくて、いつもお腹を空かせている人の言葉じゃないかと思う。
 腹ぺこだけど、パンが2つあったら、一つは食べて、一つは花に代える、ってことだと思って読むと、よりいっそう大切な言葉に思えてくる。
 腹ぺこと言えば、「襤褸と宝石」で民夫を演じていた別所ユージさんは、大勢のキャラクターの中で一番お腹を空かせてそうな役作りをしていた。
 その日暮らしをしていながら、バイタリティあふれるバタ屋たちの中で、一人だけお腹を空かせてるようなそんな人物が民夫だった。
 彼もきっと、パンが二つあったら、一切れを花に代えるような人なんだろうと思う。
 三谷さんから、いただいた言葉からいろいろなことを考えた。
 お礼の手紙を早速書いた。
 ありがとうございました。


せきねしんいち |MAILHomePage

My追加