せきねしんいちの観劇&稽古日記
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朝、母親が妹のところの犬、ラムを散歩のついでに家に連れてきた。 まるまると太って、伸び放題に毛が伸びている。 誰もこいつがトイプードルだとは思わないだろう。 ちょっとした中型犬だ。 ずいぶん久しぶりの会ったのだけれど、ちゃんと言うことを聞いて、お座りをする。 さすが、犬。やっぱり猫とは違うな。
「襤褸と宝石」でご一緒した三谷昇さんから色紙が届いた。 直筆の言葉に花のイラストが添えてある。 その言葉は、「2キレのパンあれば 1キレを喰いて もう1キレを 花に代えよう・・・ ギリシャ・詠み人知らず」というもの。 「花に代えよう・・・」。いい言葉だなあ。 これはたぶん、いつもお腹いっぱいの人じゃなくて、いつもお腹を空かせている人の言葉じゃないかと思う。 腹ぺこだけど、パンが2つあったら、一つは食べて、一つは花に代える、ってことだと思って読むと、よりいっそう大切な言葉に思えてくる。 腹ぺこと言えば、「襤褸と宝石」で民夫を演じていた別所ユージさんは、大勢のキャラクターの中で一番お腹を空かせてそうな役作りをしていた。 その日暮らしをしていながら、バイタリティあふれるバタ屋たちの中で、一人だけお腹を空かせてるようなそんな人物が民夫だった。 彼もきっと、パンが二つあったら、一切れを花に代えるような人なんだろうと思う。 三谷さんから、いただいた言葉からいろいろなことを考えた。 お礼の手紙を早速書いた。 ありがとうございました。
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