せきねしんいちの観劇&稽古日記
Diary INDEXpastwill


2007年05月19日(土) 「在り処」稽古 フライングステージWS

 「在り処」の稽古。今日は、小道具を全部用意してもらっての稽古になった。
 この戯曲は、モノを介しての芝居がとっても多い。こたつ、通帳、最中、リンゴ、いものにっころしがし、糖尿病用の注射、血糖値を計る機械、あやしげな数珠、子供の帽子、穴の開いた靴下、穴のあいた手袋(元々の戯曲にあったものを今回上演用に若干変更)。
 ト書きで読むよりも実際にあった方がいいと思ったので、この芝居に関しては、小道具をほぼ全部出して、実際のそれを使いながら(食べながら)リーディングをしてもらうことにした。
 それでも、「リーディング」という枠組みはおさえておきたいので、冒頭の0場は、きっちり読んでもらう。「この子たちの夏」のように3人が並んでまっすぐ前を向いて。その後、舞台上にある段ボール箱から新聞紙のゴミを舞台全体にちらかす。きれいに(?)ちらかったところで、職員役の唐沢くんが「30分後」というト書きを読んで、1場の芝居が始まる。
 ゴミの中での小道具ありの芝居はほんとうに大変だ。板倉さんと藤さんには、申し訳ない演出だ。
 最後の場面の、板倉さんの芝居をクローズアップする。台本のト書きを解釈して、気持ちの変化というか、とまどいをていねいに演じてもらう。
 近松の封印切りのような場面になった。
 演出しながら、ほろっとしてしまう。今日はにやにやだけじゃなくて、涙もか(笑)。
 ラストの藤さんの芝居を確認して、今日の稽古は終了。
 2回の稽古でここまで来たというそのことに感動。俳優さんたちの集中力と腕のたしかさに感動。
 そして、小道具を用意してきてくれた劇団劇作家の皆さん、なかでも、じゃがいもを煮てきてくれた相馬くんと篠原さん、どうもありがとう。
 リーディングでモノを食べるってどうよ?というためらいも何もふっとばすくらい、唐沢くんの食べっぷりと、それに関わる板倉さんの反応のビビッドさはすばらしい。
 芝居しながら、リンゴをむいていく藤さん。もうその姿だけでいいというような、なつかしさが生まれてくる。
 さあ、これから、どうなるか。本番がたのしみだ。

 夜はフライングステージのワークショップ。
 先々月、先月と今回で計3回のプログラムを組んでみた。
 今日は、新聞記事をもとにした作品づくり。
 シアターゲームのあと、初めましてのチームで一つの場面。それに続く場面を作り上げた。
 作品もおもしろかったけれど、どの記事をチョイスするかというディスカッションの時間が興味深かった。
 コミュニケーションのしかた、リードする人、じっと話を聞いて考えている人。それでもみんなで一つのものをつくりあげていかなくはいけない。
 何が正解かもわからなくて、どうしたらいいかもわからない状況から、とにかくみんなでつくっていく過程そのものが何かになっていく。
 ワークショップは今回で一区切りだけれど、「サロン」が終わった秋にまた再開できたらと思っている。


せきねしんいち |MAILHomePage

My追加