せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2006年10月04日(水) 富士見丘小学校演劇授業 「許しつづける女たち」稽古

 今日も、発表会のための作品づくりのための授業。昨日までは、前回の篠原さんにつづいて僕が構成した台本を用意して、また違った場面を演じてみてもらおうという予定だったのだけれど、予定変更。みなみちゃんが書いてきてくれた、「犬のチョコ」の話をもとにした短い場面を篠原さんが用意して、「見えないものを見てみよう」ということについての授業、そして、「おもしろいと思うのはどんな劇」か、「おもしろくないと思うのはどんな劇」ということについて話し合ってみてもらおうというものに。
 子供達から届いたお話をもとに、芝居を書き上げることは今の段階でもやれないことはないのだけれど、もっともっと彼らの言葉と思いをすくいあげたい。そして、大人が作ったものをやってみるのではなく、自分たちで劇をつくるんだということをもっともっと感じて、芝居づくりを楽しんでほしい。
 里沙ちゃんによる、アップ。今日は「見えないものを見てみよう」ということなので、長なわとび。はじめは縄をつかって。次は、縄なしで。1クラスずつ順番に。全員が縄ありで跳んで、次はなしで。見えたり、見えなかったり。回し手がなかなかに重労働。
 続いて、「犬のチョコ」の場面を読んでみる。健翔さんがしきってくれる。
 前回の「光速のマシーン」同様、輪になって座って、「。」で区切って、全員で読んでいく。
 誕生日に犬をもらった子供のおどろき。箱をあけたら犬がいた、そのびっくりするかんじをやってみる。
 はじめは、輪のまんなかの箱があって、1人がそれを開けておどろく。
 続いて、全員が、その場面のセリフを演じる。箱を開けたら犬がいて、びっくりする。
 「びっくりするとどうなる?」と健翔さん。
 じゃあ、犬じゃないことをやってみようと。
 里沙ちゃんに尻尾が生えた。里沙ちゃんがきれいな着物を着ている。里沙ちゃんがハゲてる。外から入ってきた里沙ちゃんを見た子供達から、その都度、溜息や歓声が上がった。
 次、窓の外の木に花が咲いてる。振り返ったら、大きな花が咲いてるのに気がついて、驚く。
 「あ!って思うとどうなる?」と健翔さんが子供達に聞く。
 「声が出る」「肩が上がる」「目を開く」「口を開く」
 「他には?」と健翔さん。
 「息を吸う」と誰かが答えた。聞いていた僕と篠原さんは、そのとおり「息を吸った」
 子供達は、自分でたどりついた。びっくりすると息を吸うんだということに。
 それを踏まえて、もう一度、一人ずつ箱を開けて、「あ!」とおどろくというのをやってみる。
 びっくりすると息をのむけど、「あ!」っという声を出すには、息を吐かないといけない。「どうなってるの?」と考え出すとものすごくむずかしくなってしまいそうだけど、子供達はそれぞれのやり方で箱をあけて、おどろいていた。
 最後に、全部のセリフを1つのチームで演じておしまい。おもしろくなった。
 続いて、どういう芝居がおもしろいかという話。
 みんなに書いてもらったお話についての感想をあらためて。
 みなみちゃんの「犬のチョコ」のその後がどうなるか?を聞いてみる。どうなると思う?
 僕も篠原さんも、みなみちゃんの展開は思いがけなくてステキだと思っていたのだけれど、子供達から出た意見、アイデアも、それぞれとても意外なものばかりだった。息をのんだ。一人が特別なんじゃなくて、みんなが特別なんだと思った。ちょっと反省した。
 どんな劇がおもしろい?という問いかけにはこんな意見があった。
 「展開が予想できない」「くだらない」「感動する」「真剣な場面なのにお腹が空く」「登場人物が違う(いろいろな人がいる)」
 つまんねえなって思うのは?
 「先が読めてる」「笑いがない」「感動しない」「真剣な場面を真剣にやるとつらくなる」
 「登場人物がみんな同じ」「どろどろしてる」「入り組みすぎてるもの」「同じことが続く」「場面が変わらない」「主人公以外が出てこない」「イメージと違う」
 劇作家は、そのとおりだよなと、耳の痛い意見ばかりだった。
 子供達は、ちゃんと何がおもしろいかを知っている。そして、それを、かなり具体的に言葉にしてくれた。
 最後に、劇中でタイムマシーンで未来にいくことになるのだけれど、じゃあ、その未来はどんな未来だと思う?というのを考えてもらうことにした。これは宿題。
 ななこちゃんの書いてきてくれたお話を外枠として使いたいと考えているのだけれど、その未来の地球のありようをどうしようか?ということをみんなで考えてほしいというのが、昨日の篠原さんとの打ち合わせだ。
 破壊された環境というのもありだけれど、もっとおもしろい設定があるはず。彼らが考えた、未来の地球について、もっと話を聞いてみたい。それをもとに、来週の授業の準備をしよう。
 その後、うちあわせ。1組の田中先生から、みなみちゃん、ななこちゃん、小林くんの作品が、モチーフになったということについての子供達の受け止め方をうかがう。僕らには全くわからないクラスのようす。そういうこともふくめて、みんなで芝居をつくっていく。
 昨日、一昨日と休ませてもらった仕事をかたづけにいく。その後は、稽古。今日は世田谷の鎌田。富士見丘から練馬へ行き、新宿経由、成城学園まで。そこからバスにのってようやくたどりつく。一日、ずっと移動しているような気分。
 稽古は5場を。まずは前半のミカちゃんとあっくんのやりとりをつくっていく。2人しかいない場面をどんどんやっていく。
 次々登場する人物。場面の終わりが切ない。リマちゃん、マチャ、ツナコ、きっちり芝居をしてくれている。でも、切ない自分をわらってみるみたいな視点がほしいとも。今日は、ここまで。いい稽古だった。
 帰りはバスで二子玉まで出て、田園都市線、東武伊勢崎線、すわりっぱなしの旅。授業も稽古も(仕事も)楽しいのだけれど、移動でへとへとだ。雨の中、徒歩で家まで帰り、ぐったりと横になる。


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