せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2006年06月25日(日) 穢ないけれど生きている

 録画しておいたNHKの日曜美術館、大正時代の甲斐庄楠音をとりあげている。この人の「横櫛」という絵が僕はとても好きだ。
 初めて見たのは岩井志麻子の「ぼっけえきょうてえ」の装丁かもしれない。切られお富がモチーフの女郎の立ち姿がなんともいえず妖しい。
 今日の番組では、楠音が自ら女装してとった写真も紹介された。自画像の「毛抜き」という絵では上半身裸の青年が毛抜きでヒゲを抜いている。
 後年、溝口健二の映画で衣装を担当した楠音。着物の柄のセンスがとても素晴らしい。
 同時代の画壇の長老、土田麦遷に「穢ない絵」と酷評された彼は晩年「自分の絵は穢ないけれど生きている」と書いた。その思い、悔しさと誇りが胸に迫る。
 楠音として声をあてていたのは四谷シモン。日曜美術館、ちょっとイカすキャスティング。


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