せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2005年10月29日(土) 芝居と打ち合わせ

 絶対王様の有川マコトさんの出演する、イキウメ公演「散歩する侵略者」@サンモールスタジオを見に行く。
 制作でお世話になった竹内さんにごあいさつ。
 芝居は、最初どうなることかと思ったのだけれど、最後はとっても感動させてもらった。
 地球を侵略しに来た宇宙人が、人に乗り移って、情報を集めるために、散歩して人々に出会う。そのときに、宇宙人は「概念」を奪っていく。
 夫を宇宙人に乗っ取られた妻と、その友人たちを中心に描かれる、「戦争が始まった町」の物語。
 有川さんは、この夫の役。しっかりした芝居を全編にわたって見せてくれた。
 俄然、芝居がおもしろくなったのは、舞台上で、宇宙人が「概念を奪う」現場を目の当たりにしたところから。別の宇宙人が乗っ取った少女が殺人犯として入院している病院の医師が、「禁止」という概念を奪われる。ここがとってもおっかなかった。まるで、目の前で殺人が行われているようで。
 俳優さんたちは、はじめやや堅めの演技で、ドキドキしたのだけれど、みんな「概念」を奪われた後に実にいい顔をして舞台にいるようになる。
 はじめの芝居も、そして、この表情も、きっちり演出されているんだと気がついてから、僕はかなり前のめりでこの芝居を見てしまった。
 夫役の有川さんが、妻から「愛」という概念を奪うラストは、なんてうまい台本なんだろうと思った。俳優さんたちも(特に有川さん)、その本をみごとに演じていたと思う。
 終演後、有川さんにご挨拶。笹木さん、星さんといっしょに感想を言い合いながら駅まで歩く。いい芝居だった。

 僕はそのまま曙橋まで歩いて、マルゴリータ・奈須邸へ。gaku-GAY-kaiのジオラマ・マンボ・ガールズの演出についての打ち合わせ。
 手料理をごちそうになりながら、いろんな曲を聴きまくる。
 毎年、こうやって集まっては、もう十年近く、打ち合わせをしながら、おしゃべりをしている。
 芝居の現場で一緒にはならないのだけれど、ほんとにちょうどいい距離感で話ができる、かけがえのない友人だ。
 今日も、思う存分「近況報告」をしゃべりたおし、ジオマンの宿題を持って帰る。


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