せきねしんいちの観劇&稽古日記
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| 2005年09月25日(日) |
ビデオとドキュメンタリー |
昨日に続いて、どこにも出かけない一日。録りだめしていたビデオを見る。 「女王の教室」最終回。前回がドラマのターニングポイントでクライマックスだとしたら、今回はまさに大団円、もしくはエピローグというかんじ。90分スペシャルにする必要はどこにあったんだろう。 鬼教師が実はいい先生だったというひっくり返しのあと、子ども達がみんな「先生大好き」になってしまっているのが、妙に気持ち悪い。ここまでひっくりかえってしまうのも、実は、一つの「操作」の結果なんじゃないだろうかという、意地悪な見方もしたくなってくる。そして、その「操作」のおそろしさが自覚されていないというのが、またそらおそろしい気がする。 こんなにみんながいい人に「転向」してしまうと、ドラマとしてどうよ?ということになるのだけれど、これまでの流れを考えると、これはこれでありなのかもしれない。おしまいだけを見ている僕は、その流れに乗り切れず、いまいちな気持ちが残った。 ドキュメンタリーを何本も見る。 「短い命を刻む少女〜アシュリーからの贈りもの〜」どんどん年を取っていってしまう少女のドキュメンタリー。彼女が語る言葉のつよさに感動する。去っていった友達のこと、死んでしまった同じ病気の男の子のこと。 階段から落ちて足がマヒしてしまったハムスターの世話をする彼女の姿がとてもとうといものに思える。 命の重さを考える。人生についても。
「俺は母ちゃんを殺した」 第二次大戦中、テニアン島で自分の母親を殺した男性のドキュメンタリー。敗戦までまだ一年もあるのに、どうしてそんなことになってしまったんだろう。 原爆記念日がめぐるたびに、忘れたくても忘れられないその日のことを思い出すと彼は語る。もう老齢に達している彼が、テニアン島を訪れ、「かあちゃん」と叫ぶ声は、60年という歳月を超えて、少年が母親を呼ぶ声に聞こえた。
「報道特集 B29撃墜!大戦の英雄追跡」 B29に体当たりして亡くなった青年将校の遺骨をめぐるドキュメンタリー。名誉の戦死のはずが、彼が韓国のソウル出身の韓国人だったことがわかり、遺骨が遺族のもとにいつまでも帰ることができない納得のいかなさ。 戦前の韓国での「学徒出陣」がじつは徴兵に他ならなかったこと。弟のかわりに自分が行くといった兄としての彼の姿。ここでも60年前の青年の影は、今を生きる僕らの世代よりも、ずっとくっきりしているように思えた。
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