母からの小包が届いた。 箱をあけると中からいちごの甘い香り。 あすかルビーという名前のいちごで表面がつやつやしてる。 ここの農家のいちごは結実してから 農薬も薬品もかけてないので食べるのも安全。 きゅうりは病気を予防するために13種類のお薬を散布してるって聞いたことがある。 いちごにも同様の薬品が使われてるそうだ。 口にいれると 甘い香りとジューシーな味がぱぁーって拡がる。 よくクマの漫画を書いた時に鼻から口の周辺を黒っぽい色で塗りつぶすけど そう あの当たりいったいが甘くなるってかんじ。
子どもの頃 福岡県に住んでたことがあって 歩いて海に連れていってもらっていた。 海に行く途中の道のりはどのくらいあったのかな。 あたしが5〜6歳の時の記憶だからあいまいな部分もあるのだけど
家の周辺の住宅地を抜けると大きな国道があって それを渡ると農家があった。 その中にイチゴ畑があって 小さなイチゴだったけどたくさんとって食べさせてもらった。そのとってきたイチゴで母がよくイチゴジャムをつくってたっけ。 家の中が甘ぁい香りで包まれてその香りの中で母が丁寧に浮いてくるあくをレードルですくって水をはったボールに移してたっけ。 ジャム作りは母からちゃんと教わったことはないけど 母の仕草は記憶の中に自然とインプットされてる。 いちご畑を抜けると牛がいる農家があってその牛舎の横を通る時に 牛がもぉーーて鳴くととっても怖くて ドキドキしながら通った。 そこを抜けると白い小さな踏切があって 踏み切りからむこうは松林。 足元も砂地にかわってきて 松ぼっくりや松の葉も転がってたりして 海は見えなくても潮の香り 波の音がだんだん だんだん 強くなってくる。 あー海が近づいてきたんだなぁって思うとどんどん足も急ぎあしになる。 今でもはっきり覚えてるのは だんだんと海に近づいてきたという期待感がふくらんでくるかんじと わくわくした気持ち。 父が釣った ふぐの生臭い匂い。 ふぐは釣って触ると怒ってぷぅーーっとふくれてヨーヨーのようにまんまるになる。 パープルに揺れる地平線 波しぶきの白 砂浜をもぐる小さな貝 浜昼顔のピンクの色 空にむかってそびえたつ入道雲の白 どれもはっきりとした映像であたしの中に残ってるわけではないけど 音や色 匂いトータルで感覚的に覚えてる。 イチゴの甘さにあるかすかな酸味があたしの中にある海への記憶を引き出した。
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