Scrap novel
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2001年11月20日(火) 冬の朝。

日曜日の朝。
布団から顔を出すと、息が白くて。
寒いのが苦手な僕は、また、うつ伏せのまま、こそこそと布団に戻る。
冬はどうしても、苦手だ。
寒いのが苦手なくせに、厚着や重ね着をするのも苦手で、そのくせ、
ついつい風邪をひく。
風邪にも苦手意識があって、僕の風邪はいつも症状がすこぶる酷い。
薄着をしているからだとみんなから叱られて、でも。
やっぱり寒がりなのに、あったかくするのが下手で・・・
そうして、また風邪がぶり返す。
そんな自分の無器用さに、いい加減嫌気がさすから、冬は嫌いなんだ。
・・・でも。
自分で暖かくするのは苦手だけれど、温めてもらうのはとっても好きだ。
自分で、温かさをつくるより、ずっとずっと暖かいし。

少し布団から出ただけなのに、それすら寒くて、だから僕は、
隣に眠る人の腕にもぐって、少しばかり冷えた身体を温めてもらう。
「ん・・なんだよ・・・」
すこぶる寝起きの悪いこの人は、朝はいつも不機嫌だ。
金色の、お母さんゆずりの少し硬質の髪は、寝癖がつき易くぐちゃぐちゃで、
起きたばかりは、瞼も少し腫れぼったい。
いつもカッコイイと言われているこの人の、こんな姿を見るのは僕だけだと
思うと、そんなカッコ悪いお兄ちゃんが、僕には嬉しい。
「・・・何、笑ってる・・?」
「笑ってないよ」
「そうかー・・?」
「ねえ、エアコンつけてよ」
「んー? リモコンあるだろ?」
「リモコンまで遠いもん。お兄ちゃん取ってよ」
「・・・・・・」
「え? なに?」
「・・・・・まだ眠い・・」
「もう10時だよ」
お兄ちゃんは寝起きが悪いけど、寒いのは苦手じゃない。
僕は寝起きはいいんだけど、寒いのが苦手。
・・どっちかが妥協しないと、いつまでもお布団から出られないんだけど?
「もう、起きようよ・・」
「・・・寝たの、明け方じゃん」
「それは・・お兄ちゃんの勝手だし・・・僕だって、そうなんだから・・」
「・・冷てえよなぁ・・」
「どうして」
「おまえのせいだろ・・・」
「・・僕のせいじゃない、でしょ」
ちょっと拗ねたように言うと、腕が背中に回されて、そっと身体を包み込む。
抱き寄せられた胸は裸で、そのパジャマの上はというと、今、僕が着ている。
その代わり、お兄ちゃんはパジャマの下だけ履いてるから、僕は当然足は
剥き出し。
いい加減、自分のパジャマ、買ってこないとね。
「ねえ・・ってば」
「・・お兄ちゃんが好きって、100回言ったら」
「〜〜〜〜〜〜〜」
そんなこと、ゆうべ、何回も言ったじゃない・・。
照れて真っ赤になる僕をよそに、ほとんど半分寝てるお兄ちゃんは、
そのまま、ズルズルと布団にもぐりこんでしまった。
「もう・・・」
・・ま、いいか。
今日も一日寒そうだし、だったら、お布団の中で過ごすのも。
僕はあきらめて、布団にもぐったお兄ちゃんを追いかけるようにして、
もう一度、その胸に入る。


ああ、ここは、世界中のどこよりも、
こんなにも暖かだね・・・
包まれると、すぐに眠くなってしまうくらい・・。










ああ、恥ずかしい・・・甘々じゃん。
もういいや、年内、これで突っ走ろう。
とか言って、来年もこんなんばっかり書いてたらすみませぬ。
もうちょっと、深い話が書きたいんだけどなー。うん、来年こそ。
鬼が笑いますかね?
なーんていうことはない、中身のない話ですけど、タケルが冬が苦手という
のと、ヤマトは寝起きが悪い。というのが書きたかったのです。それだけ。


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