荒ぶる魂

2003年10月26日(日) ガールファイト*ネタバレ注意

ガールファイト(2000年・米) (DVDによる鑑賞)
 *スタッフ
  監督・脚本 カリン・クサマ/Karyn Kusama
     (父親が函館出身の日米ハーフ米国人)
  製作 セーラ・グリーン/ Sarah Green
  マギー・レンジィ/ Maggie Renzi
  マーサ・グリフィン/Matha Griffin
*キャスト
  ダイアナ(主人公)ミシェル・ロドリゲスMichelle Rodriguez
エイドリアン(ライバルにして恋人)
サンティアゴ・ダグラス Santiago Douglas
  ヘクター(コーチ) ジェイミー・ティレリJaime Tirelli
 *サンダンス映画祭でグランプリ・最優秀監督賞受賞


お勧め度は「ポーの5つ星」(笑)。とくに女性が観ると
共感する部分が大きいんじゃないかな?
以下ネタバレになるのでご注意ください。

冒頭のシーンで、すごい三白眼でこちらをにらみつけてくる
少女。思わず目をそらしたくなってしまうような迫力。
これが主人公のダイアナ・18歳・高校3年生。黒人。
父と弟の3人でNYの低所得者用住宅に住んでいる。
彼女は家庭でも学校でもいつもむしゃくしゃしている。
親友は、自分のBFが他の(強い)女の子にとられても、
その時は怒るけど、すぐにまた仲良くなってしまう。
要するに世渡りがうまいわけだが、ダイアナにはそういう
あいまいさががまんできない。
頼まれたわけでもないのに、BFを横取りした女の子に
つかみかかり、マウントポジションでパンチ、パンチ(笑)
結果、校長室に呼ばれて・・・・そういう繰り返しの毎日。
ダイアナは親友に言う。
「あんなことされてどうして腹をたてないの」
「こうやってみんなと仲良くやっていくものよ。
あんたこそどうしてそうなの?」
ダイアナ「That’s the way I am」(それが私なんだもの)

彼女の弟は父にボクシングジムに通わされている。
本人は大学へ行って美術の勉強をしたいのに父親が
「世の中に出たら弱い男はなめられる」と思っているから。
ある日、ダイアナはジムに行き、自分もボクシングを
やりたいと思う。。。。。。。。。

始めは「女の子にボクシングは向かない、エアロビでもやれば」
などと言われる。でも、ダイアナがやりたいのはボクシング。
女にも荒ぶる魂はあるのだ。
やっと、コーチのヘクターが授業料を稼ぎたいがために
引き受ける。
そして、ただ殴りあうだけではない・・・腹筋、背筋、縄跳び、
ランニングなどの大変な練習が始まる。
だがその中で彼女はだんだんとボクシングに
生きがいを見出していく。
また同じジムでヒスパニックの男の子・エイドリアンに出会う。
彼もまた貧しい家庭から脱出するためにボクシングに
自分を賭けている。

だんだん強くなっていくダイアナ。
これは事実なのか脚本なのかわからないが、
「ボクシングをやりたい女性がどんどん増えているのに
戦う場がないので、アマチュアに限り、同じ階級であるならば、
男女が戦うことを認める」と
アマチュア規定が改正される。
そしてダイアナは決勝戦でエイドリアンと戦うことになる・・・


この映画が女性の視点で書かれているなあと思ったのは、
とくにこの最後の場面で、若い恋人同士の葛藤をきっちりと
リング上で決着をつけさせた点。
女にも荒ぶる魂はある、というのがこの監督や製作者たちが
言いたかったことだと思う。

全体に軽くさわやかで、一人の少女がボクシングを通して成長していく
様子を描いた青春映画といった感じ。
(蛇足:あのオヤジはどうなったんだろ?)←あなたも実際に
みればきっとそう思うはず!


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