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2006年12月27日(水) 根の無い木のように寄りかかる


噂のクリスピークリームドーナツとやらを食べました。
この店、綴りがCrispy CremeでなくKrispy Kremeなところに愛とこだわりを感じます。英国ロック雑誌KerrangがCoolをKoolを書いたりするように、Cristian GonzalezがKily Gonzalezであるように、やっぱCよりKでしょ、Kの時代でしょ、歴史はKによって塗り替えられていくんでしょ。

日本にはまだ新宿の一店舗しかないそうなのですが、これが、寒空の下で基本1時間待ちというディズニーもまっ青な人気。たかがドーナツ、されどドーナツ。
友達が先に来て並んでくれていたので私は実質並んだの10分くらいだったんですけど、行列のお詫びに無料で配ってたドーナツもらいました。これが本当に焼きたてで溶けそうな状態で、けっこうこの無料ドーナツだけでも満足できました。(そもそも私、昼にポンデリング食べたうえに砂糖はいりまくりのコーヒー5杯のんでぼんやりと気分が悪いという「なんでおまえ夜のドーナツに向けて準備するっていう真摯な態度のかけらも見られないんだよ」的な状態だったんですが…)なんかふわふわやわらかいんだよね…
とりあえずベルトコンベアにのせられて大量にできあがっていくドーナツの群をじっと見るだけでもかなりの癒しでした。ドーナツって幸福の象徴みたいな存在だな…なんかもうキリさんっていつか引退したらドーナツ屋とかやったらいいんじゃないかな…ピンクのエプロンとかしてさ…


さいきん友達に教えてもらったんですが、このひといいです。
ダミ庵・ライ酢。(伏せ字は察してください。
私は今まで知らなかったんですけど、調べたら彼はすでにかなりの注目株のようで、ダニエルパウ太ー・ジェーム酢ブラントに続く天使の歌声!だとか。天使がそんなおっさんばっかでたまるかい、という不平はともかく、それより世間はもっとルーファスっていう絶世のディーヴァに注目しようぜ!と普段からしきりに願っている私としてはちょっとおもしろくありません。
ダニエルパウ太ーとジェーム酢ブラントは天使といっても、降誕劇のためにロウでかためた鳥の羽を背負ってみた天使役という感じですが、ルーファスはリアル天使もご先祖様も召還できそうなイタコもまっ青の歌声だもんね!ふふん!………と思いましたが、これ書いてみると褒め言葉なのかよくわかりませんね。イタコ。うーん。
でもあくまでダニエルパウ太ーとジェーム酢ブラントがきらいなわけではありません。ただただルーファスを必要以上にチヤホヤしたいだけです。

まあ、ルーファス賛美はともかく、主題はダミ庵・ライ酢です。
いちばん有名らしい「The Blowers Daughter」を聴いたのですが、まあ、美しいなあ感傷的だなあ、という感じ。それから新アルバムがここで全曲試聴できるので流しっぱなしにしていたところ、新アルバムのほうが暗くて想像以上に好みだったので、「あーアルバム欲しいかも」とじんわり思い始めた4曲目、「Rootless Tree」でぶっとびました。だってこの曲、美しいメロディのサビのはじめの歌詞が
「Fuck You!Fuck You!Fuck You!」(絶叫)
なんです。ファックって、ちょっとダミ庵、あんた、いくらエモーショナルなシンガーと言えど、いくら心の叫びをストレートに歌うとしても、さぁ。
アナーキーなパンクバンドでもこんなにサビでファッキューファッキュー連呼するのは聴いたことがないです。これシングルカットできそうないい曲なのに、アメリカのテレビで流したらサビほとんど「ピーーーーーーーーーーー」になっちゃいますよ。何考えてんだダミ庵・ライ酢、こいつただもんじゃねえよ!勇者だよ!と思った瞬間に恋が始まった!次第でございます。放送禁止用語から始まる恋。

あとはデビュー作にはいってた「I Remember」も暗くていい感じでした。錯乱気味のダミ庵が「これは愛、これはポルノ、神が俺を赦しても、俺は自分を軽蔑で、軽蔑で、鞭打つ」とかそーいう歌詞を歌いだすと「暗い!いいよ〜ダミアン今すごくいい感じだよ!いい暗さだよ!あっぱれ!」とテンションあがってきます。彼にはあまりマイルドでキャッチーな路線は走らずにどんどん暗さをアピールしていってもらいたいものです。


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