2005年06月12日(日)
映画を見に行く。
見たのは「ミリオンダラーベイビー」
うん、良い作品でした。
ホント、感想書くの下手ね、私。
まあいいや。
えーと。
映画見て思う事がいろいろあるんだけど、うまくまとめらんなくて困ってます。
仕方がないのでだらだら書こうと思います。
この作品で結構気に入ったのは、主演男優の「祈り」のシーンです。
ダンさんって役名なんだけど、ダンさんは毎週ミサに通ってるっぽいのです。
で、その度に神父さん掴まえてからかうワケです。
「三位一体ってのは、ホップ・ステップ・ジャンプみたいなモンか?」
みたいな事いったりして。
神父さんはウンザリしたように言います。
「アンタ、なんでミサに来てんの? からかいに来てるだけならやめてくんない?」
あと、ダンさんは家族と疎遠なようで再三この神父さんに
「娘さんに手紙出してる?」
って聞かれてます。
「毎週書いてるさ」
って答えるダンさんに、神父さんは
「嘘ばっかり!」
と、ハナから信じません。 確かにダンさん、「毎週書いてる」って言う割には神父さんの顔見て言おうとしないし何か真実味が無い。
で、これはネタバレになりますが、ダンさんちゃんと毎週手紙を書いてるのです。
でも、全部返ってきちゃうんですね。受けとって貰えてないの。
うーん、切ない。
人事を尽くしても、天命が来ない。
でも、ダンさんは何も言いません。
神父さんも気心は知れていますが、その事実を汲み取ってあげられるほど、ダンさんの真の理解者ではないのです。
まあ、そんなん分かれって方が無茶だし、神父さんにどうこうできる問題でもないですしね。
ダンさんは、何も言いません。ただ、祈ります。
この場合の祈りって、
「神様、神様。貴方の御力で娘から返信が届くようにして下さい」
っていう物理現象を願うものとは、ちょっと違うんじゃないかと私は思うんです。
まあ、願いが叶えばそれに越した事はないんですけど。
ダンさんがそういう、即物的な原理主義者だとしたら、とうの昔に神を見捨ててると思うんです。
ではなぜダンさんは祈るのでしょう?
何を祈っているのでしょう。
主演女優のマギーが致命的な怪我を負ってしまった時も、彼は教会に足を運びます。
病院を変え、良い設備とスタッフを求め、なんとか回復を目指しますが、どうにもなりません。
奇跡でもない限り、マギーはベットから出られません。
マギーはダンさんに自分を殺してほしいとまで言ってきます。
そんな時に訪れた教会で、ダンさんは何を祈ったのでしょう。
奇跡なんて、起こりません。
では、なぜ祈るのでしょう。
聖書の何処かに、「神様は私達の重荷(軛)を共に背負い、その重さを半分にする」と言った内容の事が書いてあります。
でも、ダンさんに娘からの返信は最期までありませんでした。
マギーも死んでしまいました。
神様はダンさんに奇跡を与えてくれませんでした。
それでも、ダンさんは祈ります。
自分だけでは負い切れない、哀しみ、苦しみ、心の葛藤を、祈る事によって神様に半分預けているのではないでしょうか。
静かに神様と対峙する、ダンさんの姿が映画の見所です(お、この一行だけ見ると、私、おすぎよりも良い事言ってるかも!)
あ、そうそう。念の為書きますが、私は無信仰主義者です。
宗教なんて大嫌いさー。
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