| 2002年10月24日(木)→→→TWO LAPS |
川島誠「800」(角川文庫)。 決してモンパチではないのでお間違えなく(どうでもいいけどなんで「モンゴル800」なんだろう?)。 これは、800mランナー(TWO LAP RANNER)の高校一年生二人の青春小説。 と書くともういかにも青春!って感じの青臭いやつでしょって思うだろうけれど、そういうんじゃない。 庄司薫のような力の抜けた感じと、Amyのようなちょっとビートな感じと、江國香織のようなひょうひょうとした感じ、をミックスしたというか。 まあ例えればそうなんだけど、やっぱりきちんと独立した「川島誠」の世界が広がっていて、するするっと引き込まれて、一緒に走ったり恋したりして、最後は自分も800mのレースを終えたみたいな気持ちになる。 主人公二人はがむしゃらに突っ走る「中沢龍二」と、理論的にレースを組み立て自らを機械と称する「広瀬」の対照的な二人。 私生活も性格もすべて対照的。 その二人が交互に語るという形式なのだが、それがテンポがよくてどんどん引き込まれてしまう。 中沢の語りは本当におもしろい。 全然優等生でも硬派でもなくて世の中なめてるんだけど実は世の中よくわかってて締めるところは締めててでもちょっと口調がおばちゃんぽくて(実は口調が川島くんに似てるなあと思った。でも性格は全然違う。)。 あーうまく言えないっ。 800mに対して二人ともすごく熱くて真剣なんだけど、それが嫌みなく、さらっと描かれていて、現実的で現代的。 例えるなら「タッチ」より「H2」? それでいて青春小説にありがちなディティール、もやもやした気持ちとか死とかセックスとか、そういうのもさらっと、描かれている。 江國香織の解説文「はじめて『800』を読んだときのことは忘れられない。ほんとうに興奮し、熱が出たみたいな気持ちになった。」とか「それにしても、運動なんかしたこともないくせに、こうまで、『感じる』なんて、『神経の興奮の伝導』がよすぎる。」とかそれだけ「感じる」小説だ。 考えるより感じる。 江國香織に逃げちゃった。鑑賞文は難しい。
全然違う本で、きょう20年前の「分析化学」を仕事場で暇つぶしに読んでいたら、ガスクロでの定量分析、のところでびっくりした。 ガスクロでの定量分析はピークの面積(ピーク高さ×ピーク半値幅)を測って定量するのが一般的だが、なんとその「ピークの形を紙に写し取って切り抜いて、それを天秤で量ってもよい」だって。 20年前はみんなピークを写して切り抜いてたんだろうか…謎。
さらに「本つながり」で、きょう有隣堂ルミネ店で国大の米○先生の「物質科学入門」が平積みになっててびっくりしてたら、その横に師匠O先生の(東○大のS先生と共著)「基礎量子化学」が平積みになっててびっくり二乗。両方とも平積みする程売れる、あるいは売るべきものなんだろうか…。 ぱらぱら読んでみたら、O先生が授業で配ってる「物理化学」の冊子と内容ほとんど一緒な気がしたけど…あれは買わなくてもいいよねえ。 それより数学の本買わなくちゃー。 数学、高校で止まってるから勉強しておかないとやばい気がするので。 (高校以上の数学を含む(重積分とか載ってるやつね)基礎から懇切丁寧に解説してくれる数学参考書を探しています。どなたかおすすめあったら教えて下さい。ちなみに私、数学、全くできません。。。)
「中川家」のお兄ちゃんって、あの痛々しさが魅力なのかなあ?
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