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2018年04月05日(木) 伝統を重んじるのもいいけど時と場合によるでしょ。

市長倒れ、救命処置で土俵に上がった女性に「降りて」と行司がアナウンス 大相撲巡業の京都・舞鶴場所(産経新聞 2018.04.04)

舞鶴市「女性にお礼を伝えたい」土俵で救命措置 くも膜下出血で倒れた市長に(ハフポスト日本版 2018.04.05)

京都府舞鶴市で4月4日に開かれた大相撲春巡業で、土俵上でのあいさつ中に倒れた
多々見良三市長の心臓マッサージをした女性に対して、舞鶴市は「お礼を伝えたい」と話している。

「女性は土俵から下りてください」繰り返しアナウンス

市制施行75周年の記念行事として大相撲舞鶴場所が、舞鶴市内の体育館で開かれた。
多々見市長はあいさつの途中で意識を失って倒れた際に、
観客の女性が土俵に上がり救命処置の心臓マッサージをした。

その際、女性が土俵に上がることは伝統的に禁じられているという理由から
日本相撲協会の担当者が「女性は土俵から下りてください」と場内で
アナウンスを繰り返したことが、批判を呼んだ。

日本相撲協会の八角信芳理事長は、
救命処置にあたった女性への場内でのアナウンスが不適切な対応だったとして、
謝罪コメントを出している。

舞鶴市では女性にお礼を伝える意向

舞鶴市広聴広報課によると、多々見良三市長は精密検査の結果、くも膜下出血と診断された。
手術後の容体は安定しているが、およそ1カ月安静と入院が必要だという。
この間、堤茂(つつみ・しげる)副市長が職務を代行することになった。

救命措置をした女性が誰なのか、舞鶴市ではまだ把握していないという。
広聴広報課の三輪紀子課長は「市長に対応をしていただいた女性に大変感謝している。
誰か分かればお礼を申し上げたい」と、ハフポスト日本版の取材に答えた。


女性が土俵に上がると穢れると言うけど、

度重なる暴力行為、隠蔽など相撲は協会含めて充分穢れていて、

すでに神聖なものでもないでしょうに。



一連の動画がYouTubeにアップされていますが、

突然倒れた市長にどう対処していいか分らず、

ただただ土俵上でうろたえるしかできない男性たちに

見かねた女性が駆けつけ臆することなく土俵に上がり、

意識があるのか確認してから的確に救命措置の心臓マッサージを市長に施している様子が分ります。

救命措置の一連の流れが的確なので、

この女性は医療関係者なのではないかと思います。

心肺蘇生は体力を必要とするので交代して蘇生するまで続けるための人手が必要となり、

その後も女性が2人駆けつけてますが野次馬ではなく

この人たちも医療関係者で助太刀に来たものと思われます。

男性たちが何も出来ない中で周囲に指示(AEDの手配とか?)を出しながら

必死に心肺蘇生の救命措置に取り組む女性に対して、

京都府警の警察官がAEDを持って駆けつけたところで、

「女性は土俵から降りてください」というアナウンスはとても印象が悪すぎます。

京都府警の警察官にバトンタッチして自分達は土俵から降りるまでの流れが的確で、

きっと救命措置に駆けつけた女性たちも

女性が土俵に上がることは禁じられていることは知っていたことでしょう。

しかし、目の前で消えるかもしれない命を無視することはできない。

とっさに行動に出てしまったのは素晴らしいことじゃないですか。

緊急時に伝統と命のどちらが最重要で最優先なのかと。

土俵で倒れた舞鶴市長は助かったからまだ良かったものの、

これで最悪な結果になっていたら目も当てられませんよ。

今回の件で思ったのは女人禁制を重んじるのであれば、

(そもそも女人禁制になったのも相撲を格付けするために
 明治後期から考えられた後付の理由だそうです。)

興行でありながら男性医師と男性看護師の医療スタッフを常駐させていない

相撲協会が一番どうかと思いました。

力士が取り組み中に胸への強い衝撃による心停止で倒れることも無いとは言い切れませんし、

行司さんだって舞鶴市長のように突然に倒れるなんてこともありえるかもしれません。

お客さんだって観戦中に倒れる人もいるかもしれない、

そんな突発的なアクシデントを想定して

場所中でも巡業でも医療スタッフを常駐させておくべきではないでしょうか。

国技だとふんぞり返って公益法人でいるなら、それぐらいやってしかるべきでしょう。







名塚元哉 |←ホームページ