「健二はイスラム国の敵ではない」 後藤さん母が会見(朝日新聞 1月23日)イスラム過激派組織「イスラム国」に拘束された日本人2人のうち、フリージャーナリスト後藤健二さん(47)の母、石堂順子さん(78)が23日午前、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で記者会見した。「イスラム国」が告げた身代金の要求期限が同日午後に迫る中、「『イスラム国』の皆さん、健二は『イスラム国』の敵ではありません。解放して下さい」と訴えた。国内外の報道関係者約100人が詰めかけた。「イスラム国」は20日午後に後藤さんと湯川遥菜さん(42)の殺害を予告する映像を公開した。石堂さんは「この3日間、私の身近で何が起きているか計り知れませんでした」「ただただ悲しくて、泣いていました」と胸の内を語った。 記者会見では「日本国民、日本政府の方々にご迷惑をおかけしていることをおわびします」と謝罪。22日に後藤さんの妻から電話で聞いた話として、子どもが生まれたばかりだったと明かした。「『子どもを置いて、なぜ遠い所へ行ったのですか』と(妻に)質問したら、『拘束されている知人を救出するために何が何でも行かなければ、と飛んでいった』ということだった」と語った。 石堂さんは声明文も発表。「健二は幼い頃から心の優しい子でした。いつも『戦地の子どもたちの命を救いたい』と言っていました」とし、「残された時間はわずかです。日本政府の皆さん、健二の命を救って下さい」と訴えた。テレビや新聞のみで後藤氏の母親の会見を見聞きした人なら、極普通に息子の身を案じる母親の悲痛な会見と感じたと思うのですが、本当の会見は耳を疑う発言が何回もあるものでした。【全文】「私はこの3日間、何が起こっているのかわからず悲しく、迷っておりました」ジャーナリスト・後藤健二さんの母・石堂順子さんが会見(BLOGOS 1月23日)(一部抜粋)昨日健二の妻である嫁と初めて電話で交信いたしました。聞きますと、2週間前に赤ちゃんが生まれたそうです。私はびっくりいたしました。生まれたばっかりの2週間しか経っていない子どもを置いて、なぜ遠い所に行ったのですかと質問しました。 そうしましたら、先に拘束されている知人を助けるために、救出するために、何が何でもという形で飛んでいってしまった、と申しておりました。私はその時感じたんですが、この地球は大切にしなければいけない、たった一つの、私たちのために神がつくってくださいました、自然がつくってくださいましたものを、その貴重なプレゼントをなぜ壊すのか、私はわからないのです。原子力を使い、地球を汚し、大気圏を汚して、そして何を求めようとするのか、私には全然わかりません。 もうひとつ、私は不思議でならないことがございます。それは、自分たちの地球を、自分たちの手で壊すということです。原子力、原子爆弾、そういったものを研究して、私どもが感謝しなければいけない地球を壊していく。そして、そこで生活している弱者を悲しみの落とし穴に突っ込んでいく。そのエネルギーがあったら、世界平和のために、それから地球を守っていく、そういった課題になる、将来を抱えた子どもたちのためになるような原子力であり、考え持つべきだと思っております。 私がいまこみ上げてくる涙を隠しておりますが、そのまま語っておりますが、それは、先ほど申しました原子力の問題です。地球を駄目にする、お水も駄目にする、すべてを駄目にする。それを一時の感情でどんぱちやるということ、それをぜひ阻止しなければいけない、そのように思います。 もし、原子力がいい方の活用じゃなくなるのであれば、私は、私の命をうしなうということも、全く厭いません。それはこの席ではっきりお申し上げます。―先ほどより、"イスラムの方々"と口にされていますが、健二さんを捉えている団体は「イスラム国」という団体で、イスラムの国々の8割、9割で"これは本当の国家ではない、そしてイスラムの信者のやるようなことではないことをする団体だ"と非難されていることはご存知でしょうか。イスラム国が傭兵や犯罪者だったり、社会に不満のある人々による組織であることはご存知でしょうか。また、例えば地域の色々な諜報機関の出先である、とまで非難されている。 「イスラムの人々に」とお話をされていますが、彼らが必ずしもイスラムを代表するものではないということをご存知でしょうか。(シリアの記者) そこまでは存じ上げておりませんでした。失礼いたしました。 そのお話を聞いて、もしイスラムの方からお子さんが日本で勉強したいとか、そのような方がいらっしゃいましたら、私が全力を持ってお守りいたします。そして私の家でしっかりとお勉強していただくことをお約束いたします。 また、改めて、「平和のため、イスラム語を学んででも、命に換えても、今までの私の経験を活かして、イスラム国のお子さんにも接していきたい、教えていきたい」「イスラムの子どもたちが日本に来て学びたい時は私の家を宿にしてください。」と訴え、「力を合わせて頑張ります」と述べて会場を後にした。 私もNHKの生中継で会見を見ていたのですが、反原発を訴える内容の会見なのかと錯覚するほどでした。命のタイムリミットが迫る中、針のむしろ状態であろう母親が勇気を振り絞って会見に出てきて、これも母の愛がなせる行為と会見の場にいた記者に私を含めた視聴者も同情的な空気に包まれていたのに、会見が始まったら息子の話より反原発のことを何度も語るので、記者会見場とそれを見ていた視聴者が母親に対して抱いていた同情的な空気から、「えっ?お母さん急になにを言い出したの?」と場の空気が一斉に引いてしまうのをリアルに感じ取れましたね。ネットの反応も戸惑いも含めて大騒ぎでした。あまりにもチグハグでおかしな会見になってきたので、NHK含め各チャンネルも会見の生中継を途中で切りましたから、お涙頂戴できると思って番組の予定を変更して会見の放送に切り替えたのに、あまりにアレだったのでダメだこりゃと思ったのでしょう。息子が誘拐されて気が動転しているから、あんな内容の会見になったという擁護もあるのですが、この母親の名前を検索すると出てきますが、一般社団法人 ピースビーンズジャパン 石堂 順子(会長)市民団体の会長として活動しているので、どう考えてもそれはないでしょう。息子の危機を利用して会見で反原発の内容を語ったと考えられます。最後には「世界平和のために頑張りまぁす!」で笑顔でしたからね。会見の最初になぜ息子の後藤健二氏と苗字が違うのか疑問に思ったのですが、妻と始めた話した、そのときに子供が生まれたことを知った。の発言で、絶縁されたのかもしれないと思ったりもしました。母親に居場所も知らせず結婚したことや子供が生まれたことも知らせなかったのは、母親と接触するのを自らで絶っていたからなのでしょう。会見が行われる前までは、危険な場所に行ったんだから自己責任じゃないの?という空気も世間にあった中で、あの会見によって一挙に後藤健二氏に同情が集まっているから、母親の作戦だったからすごいけど、母親の親戚などは会見を止めるように説得していたそうですから、それはないのかもしれません。周りが会見を止めたのも母親の普段の言動を知っていたからなのかもしれませんね。それにしても凄いのが午前中に会見が行われ、お昼のニュースではどう伝えるのだろう、これは各テレビ局の報道フロアは頭を悩ませているだろうと思っていたのですが、反原発の話をうまい具合にカットして、発言を切り張りして涙ながらに息子の解放を願うことだけを話している母親の会見になっていて、編集の神業を目の当たりにしたのですが、冷静に考えれば、こんな編集マジックをいつもやっているんだなぁということも同時に理解できて、やっぱり会見は全文を見てから判断しないといけないと、編集マジックの凄さと怖さをリアルで体験できました。