一昨日、NHK BSプレミアムで放送されているビートたけしさんが会いたいアーティストを紹介する番組『たけしアート☆ビート』が、ピアニストの辻井伸行さんの特集だったので観ていたのですが、辻井さんの自作曲だけを収録するアルバムのレコーディング現場が放送されていました。辻井さんの奏でるピアノはショパンなどもすごく清らかな美しい音色で心地よいのですが、アルバムに収録されたりTVで流れる自作曲も大好きだったので、これは絶対に買うと決意し、いつ発売なのかと思って調べてみたら、先月の27日に発売されていました。(この番組自体が6月放送分の再放送でした。)早速、amazonで注文して今日届きました。自作の曲を集めた1枚と服部隆之氏など著名な作・編曲家の4名が辻井さんの曲をオーケストラにアレンジしたものを収録した2枚組のSPECIAL EDITONと自作集のみ1枚の通常版がありまして、SPECIAL EDITONのほうを購入しました。1曲目から穏やか〜な気分になって、退院してからなかなか調子の出ない病み上がりの体にピッタリです(笑)このアルバムには、はじめてドラマ音楽を手掛けた『それでも、生きてゆく』からテーマ曲と、27日公開される映画『神様のカルテ』のテーマ曲が収録されています。演奏者としての才能は、すでに周知の通り申し分ないですが、楽曲を依頼される作曲者としての才能も思う存分発揮されており、ドラマや映画音楽を手掛け素晴らしい曲を生み出したことで、今後も次々に依頼が舞い込むことは間違いなく、作曲者としての活躍も大いに期待できます。ビートたけしさんが番組内で仰っていたのですが、辻井さんの曲は、ヨーロッパの映画を観ているような情景が思い浮かぶそうです。私の中では、小春日和の気持ちいい風が吹く過ごしやすい穏やかな日の新緑の美しい公園で、楽しく遊んでいる子供たちや、手を繋いで歩いている親子や、ベンチに腰掛けて話している老夫婦の姿や、犬を散歩させたりする人ののどかな情景がいつも脳裏思い浮かびます。辻井さんは生まれつき目が見えませんが、これほど美しい世界観の曲を生みだせるのは、音や風や匂いを全身で感じて、その感じたものを大切にし、それを心の中に穏やかな情景や思い出として捉えて見ているからではないでしょうか。暑い夏の日差しと暑い部屋の中でも、聴けば清々しい気持ちにさせてくるとっておきの1枚です。