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2007年09月18日(火) 騙される脳 〜ブームはこうして発生する〜

福田氏支持55.9% 麻生氏の倍近く 本社・FNN世論調査

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)は安倍晋三首相の辞任表明を受け、
15日午後と16日、合同で「政治に関する世論調査」を行った。
自民党総裁選に立候補した福田康夫元官房長官(71)と麻生太郎幹事長(66)の
どちらを支持するか聞いたところ、福田氏が55・9%と
麻生氏の28・1%を倍近く上回った。
福田氏は選挙戦でも多くの党所属国会議員の支持を集めているが、
世論も同様の判断を示した格好だ。

 福田、麻生両氏以外も含め、次期首相にふさわしい人物を聞いても、
福田氏が27・7%でトップ。次いで小泉純一郎前首相(15・0%)、
舛添要一厚生労働相(13・2%)、小沢一郎民主党代表(12・2%)が続き、
麻生氏は10・3%と5位だった。

 「ポスト安倍」の資質としては「指導力」(74・1%)、
「信頼感」(69・1%)、「政策通」(68・4%)を重視する意見が多く、
「新鮮さ」は33・0%と他の項目を大幅に下回った。

 今回の総裁選については「政治空白が生じてしまい国政にとってよくない」が
77・8%と多数を占めたが、「人心一新が図られるのはよいことだ」と
評価する人も66・4%に上った。
また、「政治路線は大幅に変えるべきだ」と答えた人は40・5%で、
「そうは思わない」の50・0%を下回った。

 一方、政党支持率は、自民党が安倍内閣改造後の8月27、28両日に行った
前回調査から2・3ポイント上昇して30・5%と、
前回より5ポイント下げた民主党の25・9%を4・6ポイント上回った。
自民党の支持率は参院選後2回の調査で民主党を下回っていたが、
今回は総裁選で自民党の行方に関心が集まっていることなどが支持率を押し上げたようだ。

 安倍改造内閣の支持率は、安倍首相の突然の辞任表明を受け、
前回より18ポイント低い20・0%と、安倍政権下の調査では過去最低。
不支持は68・7%に上った。安倍首相の辞任表明のタイミングについては
「評価しない」が82・1%、辞任理由についても「評価しない」が
66・7%と多数を占め、国民の不満の強さを示した。

( 産経新聞 9月18日8時0分)


-----------------------------(引用終了)----------------------------

引用した産経新聞以外の各新聞とTVの世論調査も、

圧倒的に福田氏支持の結果になっています。

 安倍首相の支持率低下から参議院選挙直後に行われていた

「次期首相になってほしい人は?」という世論調査では、

小泉純一郎前首相、麻生太郎氏、民主党の小沢一郎氏が、

次期首相になってほしい候補として名前が挙がっていましたが、

福田康夫氏の名前は挙がっても5%にも満たない状況でした。

ところが、安倍氏の辞任後から今日までの世論調査では、

辞任直後は麻生氏がリードしていたものの、

総裁選がスタートするや、ほんの数週間前までは支持がほとんどなかった福田氏が、

次期首相に相応しい人物として圧倒的支持を得ています。

政策を見る前から己の思想信条や原理原則は無視してまで、

福田氏を支持する議員の数とメディアの持上げぶりに、

世論が動いてしまった現象なのでしょうか。実に不思議なものです。

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米山氏の見解によると、世の中に巻き起こるブームの数多く存在していますが、

ブームになる前から人物や商品を注目し支持していた人はともかくとして、

メディアなどが頻繁に取り上げるようになってから、

そのブームに飛びついてしまう人というのは、

誰かあるいはどこかに帰属することで、自分の存在を再確認しているのだそうです。

そして、自分の存在を再確認し安心することによって脳が快感を得るのだそうです。

すぐにどんな流行にも飛びつき踊らされる人というのは、

脳の快感に支配されてしまっている人間なのだそうです。

また、神経学的に見れば、人間が何かを決定をする際には、

より知っているものを選ぶ傾向があるということなので、

今回の総裁選においての大多数の国民は、

支持する議員の数が多いからという理由以外に、

外務大臣時代などにたまにしかテレビ画面に出てこなかった麻生太郎氏よりも、

大脳の仕組みから、官房長官時代に会見の模様が頻繁にテレビ画面に登場し、

ある程度のイメージが脳裏に焼きついている

福田康夫氏を選らんでしまうのかもしれません。

  私の尊敬する白洲次郎氏がこう仰っていました。

「日本ぐらい自分でものを考える奴が少ない国はありませんよ。」

私も含めて自分であまり考えず雰囲気に流されやすいのは、

裏を返せば、日本人は動かしやすい存在ということであり、

政治家や大手既成メディアや企業や他国にとって、

とてもありがたいという事ではないでしょうか。

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