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2006年07月28日(金) 安倍さんの『美しい国へ』を読んで。

先週発売された安倍晋三さんの著作『美しい国へ』を買いました。

本に書かれている安倍さんの靖国参拝肯定論を牽制しようと、

この本の発売に合わせて、日経新聞が富田メモを公表したと言われるほど。

なぜ牽制しようとしたかというと、

69頁からの「「A級戦犯」をめぐる誤解から」を読めば一目瞭然。

70頁をちょこっと引用しますが。

「A級戦犯」として起訴された28人のうち、松岡洋右らふたりが判決前に死亡し、
大川周明が免訴になったので、判決を受けたのは25人である。
このうち死刑判決を受けて刑死したのが東条英機ら7人で、
他5人が受刑中に亡くなっている。
 ところが同じ「A級戦犯」の判決を受けても、のちに赦免されて、
国会議員になった人たちもいる。賀屋興宣さんや重光葵さんがそうだ。
賀屋さんはのちに法務大臣、
重光さんは、日本が国連に加盟したときの外務大臣で、勲一等を叙勲されている。
 日本はサンフランシスコ講和条約で極東国際軍事裁判を受諾しているのだから、
首相が「A級戦犯」の祀られた靖国神社へ参拝するのは、
条約違反だ、という批判がある。
ではなぜ、国連の場で、重光外相は糾弾されなかったのか。
なぜ、日本政府は勲一等を剥奪しなかったのか。
 それは国内法で、かれらを犯罪者とは扱わない、と国民の総意で決めたからである。
1951年(昭和26年)、当時の法務総裁(法務大臣)は、
「国内法の適用において、これを犯罪者とあつかうことは、
いかなる意味でも適当ではない。」と答弁している。
また、講和条約が発効した52年には、各国の了解も得たうえで、
戦犯の赦免の国会決議も行っているのである。
「B・C級戦犯」といわれる方たちも同様である。

(以下省略)
-----------------------------(引用終了)----------------------------

安倍さんのおっしゃる通りなんですよね。

昭和27年(1952年)に発効されたサンフランシスコ講和条約の

同講和条約第11条では同時に、「戦犯」の赦免や減刑については、

「判決に加わった国の過半数が決定する」と定めていたので、

全国で戦犯釈放運動が広まり、

当時の成人のほとんどといってもよいくらいの四千万人もの署名が集り、

その署名運動により、昭和28年に戦犯の赦免に関する決議が国会で、

社会党や共産党まで含めて一人の反対もなく決議されました。

そして国際的にも、サンフランシスコ講和条約第11条にもとづき

関係11ヶ国の同意を得て、A級戦犯は昭和31年に、

BC級戦犯は昭和33年までに赦免し釈放しました。

こうして「戦犯」の人達は国内外から免責され、

結果として靖国神社に合祀される対象となったのです。

というわけで、このように国内的にも国際的にも免責されているのですから、

どう考えてみても今の靖国神社にABC級戦犯などいないのです。

そのため、A級戦犯のうち重光氏と賀屋氏は絞首刑にならず、

終身禁固刑などの刑だったので、復権した後には国会議員になっています。

この事実を述べる政治家が少なすぎます。

そして、知らずに「戦犯を分祀せよ」と言っている

アホな政治家が多いこと多いこと。

また、マスメディアでもこの事実に触れる事が極めて少ないですね。

安倍さんが総理大臣となった暁には、

ぜひ、靖国神社に参拝してもらって、

(参拝日には拘りません。いつ行っても騒ぎたい連中は騒ぐので。)

「国際法上も国内法上に照らし合わせても日本に戦犯は存在しない。」と

この事実を記者連中の前で語っていただきたいものですね。

事実が公の場で、総理大臣の口から発せられるのが不味いから、

「昭和天皇はA級戦犯合祀に不快感を示されていた。」という富田メモにより、

「昭和天皇が不快感を示されていたのだから、

 戦犯は分祀したほうがいいんじゃないの。」という世論の印象操作を狙うため、

富田メモを本の発売日に公表したという噂話は本当なのかもしれませんね。

そして、中国からA級戦犯合祀問題に対する批判を受けますが、

中国(もちろん当時は中華民国で、中国人民共和国はありませんが)は、

連合国側で終戦をむかえましたが、サンフランシスコ条約調印には、

中国は代表権問題で米英の意見が一致せず会議には招集されませんでした。

サンフランシスコ対日平和条約第二十五条では、

「この条約に署名し且つこれを批准した」当該国を「連合国」と定義し、

「この条約は、ここに定義された連合国の一国でないいずれの国に対しても、

いかなる権利、権限又は利益を与えるものではない」と明記しています。

このような理由で中国(中華民国、したがって中華人民共和国にも)には、

平和条約第十一条に基づいて発言する法的資格はないのです。

ですから、中国がサンフランシスコ対日平和条約第十一条に基づいて

戦犯問題、ひいては、東京裁判について発言する

法的資格がないということも安倍さんには述べて頂きたいものです。

そういえば、昨年、政府見解で「戦犯存在せず」と

政府答弁書が纏められていたんですよね。詳しくは過去日記を↓。

2005年10月26日(水) 政府見解「戦犯は存在せず」 よって追悼施設は要らん!

それなのになんで、まだ戦犯だの分祀だの言ってるんでしょうか?





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