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2005年05月28日(土) 勝手に憤慨してなさい。

中国が「強烈な憤慨」 森岡政務官発言で

>「国際正義と人類の良識に対する公然たる挑戦」

お前が言うな


>また「日本は国際社会で責任ある役割を演じられるのか疑問だ」と述べ、
>日本の国連安全保障理事会常任理事国入りを強くけん制した。

この発言に憤慨ですよ。

日本は昭和31年より国連に復帰してから、

50年近く国際社会で責任のある役割を果たしてきてますが。

普通の国家に言われるならまだしも、

まともでない国家に評価されることほど頭にくることはありません。

中国が国際社会で責任ある役割を演じられているかと言うと全然演じていないし。


東京裁判否定 世界に向けて言えるのか(5月28日付・朝日社説)


社説の内容ですが、意図が誤解できるように文章を組んでいるあたりは、

ある意味で、さすがとしか言いようがありません。

近代国家の根底に法治主義がありますが、それを否定してる社説でもあります。

明日には読売か産経が反論しそうな予感。

さて、この社説で非難されている森岡議員に昨日メールを出したところ、

代議士会で発言した全文を書かれたお返事を頂きましたので、

その箇所を引用します。

-------------引用開始------------------------------------

そもそもA級戦犯といいますが、日本が占領下にあったとき
勝者である連合軍が国際法違反の軍事裁判で敗戦国日本を裁いたものです。

戦争はどうしても話し合いで決着しないとき、国際法で認められた一つの政治形態です。
日本は経済封鎖され、やむなく戦争せざるを得ない状態に追い詰められ
国際法のルールにのっとって戦争をしました。

勝った方が正義で負けた方が悪ということではありません。
独立回復後は、国会でも全会一致で名誉回復を図り、
A級戦犯といわれた人達の遺族にも恩給が支給されるようになりました。

A級戦犯の中には絞首刑になった人も禁固刑になった人もいましたが、
皆罪を償いました。
のちに大臣や総理大臣になった人もいます。
A級戦犯はもはや罪人ではありません。

-------------引用終了--------------------------------


この社説の悪質なところは、森岡氏の発言中

「A級戦犯はもはや罪人ではありません」のうち『もはや』を省略して、

サンフランシスコ平和条約を否定するつもりだと勝手に論理を飛躍しているところです。

「東京裁判の違法性=A級戦犯は罪人ではない」を論述の出発点にしていますが、

森岡氏の真意はそうではありません。

もしそうだとしたら、その後に続く名誉回復決議や、

遺族年金云々の言及部分は必要ないのですから。

東京裁判(に替わるもの)をもう一度やれ、などとも主張していません。

東京裁判の不当性を訴えることがなぜ戦争責任を否定することになるのか、

なぜサンフランシスコ講和条約を見直すことになるのか全く理解できません。

それに、東京裁判には問題がないような主張ですが、

東京裁判で裁かれた人たちは、国際法を無視した完全なる事後法で裁かれており、

この裁判を主催したマッカーサーなどの戦勝者側も後になって、

あの裁判は誤りだったと認めているのですが、そこは無視ですか?

あと、当時の社会党、共産党の賛成の元にサンフランシスコ講和条約署名国の同意で

戦犯の名誉が回復されていることには触れないんですね。


さて、同じ朝日新聞の森岡氏が発言した5月26日の記事では、

「A級戦犯はもう罪人でない」自民代議士会で森岡政務官

>「極東国際軍事裁判は、平和や人道に対する罪を勝手に
>占領軍が作った一方的な裁判だ。
>A級戦犯の遺族には年金をもらっていただいており、
>日本国内ではその人たち(A級戦犯)はもう罪人ではない」


ちゃんと「もう」(もはやとは違いますが。)が明記されているのに、

社説では、『もう』の有る無しで主張のベクトルがかなり変わるほど重要な

その箇所をすっ飛ばしているのは意図的と思われても仕方ないでしょう。

それに、もし、戦犯合祀が国際問題になるのであれば、

出獄された方々の処遇も国際問題になっているはずです。

例えば、重光葵氏は、A級戦犯として禁固7年の判決を受けましたが、

その後、外務大臣まで勤め、日ソ交渉の立役者でもありました。

あるいは、賀屋興宣さんは終身禁固刑に処せられましたが、

しかし、 釈放後は衆議院議員になり、法務大臣になりました。

A級戦犯に指名された岸信介氏は総理大臣になっています。

仮にA級戦犯合祀が講和条約違反との見方が正しいとすれば、

この方々の復権は当然講和条約違反ということになるのではないでしょうか。

しかし、そうした批判は連合国からはまったくありませんでした。

朝日は、この事実をどう思ってるんでしょうかね。

さて、中国や朝日新聞や民主党がこうして騒ぐことで、

今まで知らなかった東京裁判やA級戦犯や

サンフランシスコ条約について、自主的に調べようと思う人も多くなったようで、

「戦犯はもう戦犯でない」ことも「戦犯のABCは罪の重さとは関係ない」と

事実が拡がっていく事は逆にありがたいことですね。

だから、森岡氏の辞任要求などと、一昔前のように踊らされる人もほとんど居ないし。

まぁ、興味のない人のほうがほとんどなんだろうけど。




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名塚元哉 |←ホームページ