ちょろりの役員様日記
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2001年12月05日(水) カモ

あたしの会社の最寄駅から、会社まで商店街を抜けて行く。
なかなか飲食店が立ち並んで、活気ある商店街だ。

あたしはボーッと下を向いて歩いていた。
 

ふと、目をあげると、何かと目があった。

飲食店の軒先に、カモがズラーッと吊るされていた。
首に縄をつけてハンギング状態。

ヒィィィィッと声にならない悲鳴をあげてしまったが
よく見るとおいしそう。

どうやら、鴨料理の店のようだ。
店主が猟をして撃ってきたものを店の軒先で熟成させてる様子。


しかし、普通の商店街にズラっと並ぶカモは異様だなあ。

会社のある場所はいわゆるおじさんの町。
若いOLすらあんまり見ない。
小さい会社がひしめいている。
でも近くの理系大学の学生の女の子がたまーに通る。


「キャァァァァ!!!」

1人が大絶叫したら、続けて4、5人が大絶叫。
罪作りなカモよのう。


そのカモを見ていたら、大学生のときを思い出した。

民俗学というマイナーな専攻だったあたし。
民俗学は、文献で研究事例を拾うのも大事だが
まだ、民俗が残っているような田舎に行って、
風習や伝説などを聞き込み調査するのも重要。

まあ、東京のような大都市でも民俗とよばれる風習は
いくらでもあるのだが、
(母の日やバレンタインデーだって立派な研究事例になる)
田舎に行って調査する方がわかりやすい。

大学の研究室の資料の、調査報告書に
あたしの実家の地域が出てて、ひいおばあちゃんの名前を
情報提供者として発見したときは、世間の狭さに驚愕した。


話がそれたが、大学の時の授業で岩手県の遠野市に
民俗調査にでかけた。

学生がチームに分かれて、
伝説や、年中行事(正月などのイベント)、
通過儀礼(七五三や結婚式などのイベント)などテーマごとに
地元の人に聞き込みする。

あたしたちのチームは、産業だった。
もう、昔ながらに炭焼きや木こりや農耕中心の家はない。
ご老人に昔のことを聞きだすのが主だった。

学生が来て、教えてくださいと言えば
たいていの人は喜んで語ってくれる。
のりのりなおじいちゃんがたくさんいた。


東北地方といえば、雪山にてクマを撃つ、またぎ
が有名である。
「またぎについて聞きたいんですけど・・・。」

「あんたら、またぎなんて、古い言葉を〜。

今はね、ハンター と言うんだよー。」

と教えてくれた。

あのおじいちゃんはまだ元気だろうか?

あたしの通勤している町にもハンターがいるんだよ。
カモハンターね。


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