白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2002年07月07日(日) 星を見上げて思うこと。

奈良盆地徒歩20分通勤、3度目の夏……
今年は、とりわけ歩くのが辛い。
年齢のせいにしたいところだが、たぶん運動不足が原因かと、
いっそ自転車を買おうかと思うのだが、3ヶ月後に辞めると思えば
自転車を買うのも、もったいなくて、やっぱり毎日歩いている。

暑くなってくると、奈良盆地の愛人(愛犬)との逢瀬もままならない。
犬だって暑い時にはバテるようで、ハル君は私の顔を見ても
日陰で寝そべって、尻尾をふるだけで、近寄ってはこないのだ。
声だけ掛けて通り過ぎるのだが、ちょっぴり寂しい。

我が家の犬は、暑いながらも毎日ご機嫌で暮らしている。
つぎの御誕生日を迎えたら13歳になる御老体なので
そろそろ足腰は弱ってきているが、まだまだ長生きできそうな気配。
最近は、ちょっと犬の本能が衰えてきているようだが。

以前は、さっちゃん(犬の名前)がいる場所が
家の中で、いっとう居心地の良い場所だった。
どんなに暑い時も、どんなに寒い時も
居心地の良い場所を見付けるのが得意だった彼女だが
今年は暑くても、寒くても、自分が好きだと思う場所で陣取っている。
彼女が気に入って、そこにいるのだろうから、かまわないが
人間の言葉で表現するなら「ちょっと耄碌してきた」って感じなのだろう。
もともと気まぐれな犬ではあったが、日を追うごとに気まぐれ度が増していて
彼女の「老い」を感じずにはいられない。
あと何年、彼女と一緒に暮らせるのかは分からないが
気ままな人生……もとい犬生を送って欲しいと思う。

ちょっと耄碌してきている彼女でも
流石に「人間にひっつくと暑い」というのことは理解しているらしく
ここのところ、ほとんど甘えてこなくて、これもまた、ちょっぴり寂しい。
もっとも、暑さも構わず、ひっついてこられたら、暑苦しくて困るのだが。

生まれたり、病気になったり、老いたり、死んでしまったり……
当たり前のことが、当たり前らしく流れていくのだなぁ。
昔読んだ『星くず』というシリーズ連作の漫画の中で
「死んだら星になる」ってなエピソードがあったけれども
死んだ婆様も、父も、祖父も、昔飼っていた犬も
星になんてならないってことを大人の私は知っている。
だが、しかし、星にはならないかも知れないが
心に残るものがあるってことも知っている。

3年前の今日は婆様の葬式だったねぇ……
とて乙女な母と婆様の思い出話をした。

命日には、お互い、その話に触れようともしなかったのに
2日過ぎてから口にするのは妙な感じである。
3年経った今もなお、遠慮のようなものがあるようだ。
これから先、うっかり婆様の命日を忘れることがあったとしても
七夕の夜にはきっと思い出すだろうと思う。
もっとも、いくら私がうっかり者でも婆様の命日は忘れないだろうけど。

七夕ってことだし、なにか願い事でも考えてみるかなぁ
などと思いつつ、今日の日記は、これにてオシマイ。


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