白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2002年02月03日(日) 雪ではなくて雨が降り

昨日から今日にかけて大阪の天気予報は「雪」だった。

雪国に住む方にとっては「雪かき」や「雪降ろし」など
なかなか厄介な仕事が多いようなのだけれど
雪なんて、滅多に見られない地域で暮らしている人間にとって
「雪」ってヤツは恋焦がれずにはいられない対象なのである。

寒さは苦手だが、雪は見るのも触るのも大好きだ。
雪景色……などと贅沢は言わないけれど
せめてこの手で、ちょこっとだけでも雪に触れてみたかった。

それなのに……

降ってきたのは「雨」だった。
雪が降れば寒さだって、平気なのだが
冷たい雨はいただけない。

1人で盛り上がって、1人でがっかりした。

しかも「昨日」と「今日」は土曜、日曜で
世間的には休日なのに、私は出勤日という
1週間のうちで、もっとも切ない2日間だったのだ。

大阪と奈良を隔てる山並みは、薄っすらと雪景色だったが
私は、ただ通勤電車の中で遠くの山並みを垣間見ただけだった。
この手で触れることのできない雪は
私が待ち望んでいた「雪」ではなくて、単なる「風景」な過ぎなかった。

残業帰りの電車の中で、誰もいない車両に
暖房があまり効いていない薄ら寒いシートに
1人、ポツンと座っていると
誰でもいいから自分以外の人間に逢いたいと思った。
それは凶暴な「欲望」でもあり「飢え」でもあった。

仕事帰りに、コンビニに寄って
フルタ製菓のフィギュアシリーズ『松本零士の世界』を買おう
……と、ひそかに決心していたのに
なんとなく、そんな気にもなれなくて、真っ直ぐ家へ帰った。
帰る場所があるということは、非常にありがたいことなのだけれど
そんな事では埋めつくされないような
どことなく空虚で満たされない……そんな夜だった。

雪ではなくて雨が降る……

思い通りにいかないことなんて山ほどあるのに
それっぽっちの小さなことで、酷く、がっかりしてしまった
そんなチンケな夜だった。

もしも……
もしも、今年中に雪が降ったら……
もしも、この手で雪に触れることができたら……

「雪だるま」と「雪ウサギ」を作って冷凍庫に保管してやるぜ♪

訳もなく、そんなことを思いながら
「雪ではなくて雨が降った」という事実は
どこか日々の暮らしに似ているなぁ……などと思いつつ
今日の日記は、これにてオシマイ。


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