書庫目録

2002年10月13日(日) 文章を書くということ

短大時代、ゼミで国語を学んでいたんですが
教えてくれていた先生がこんなことを言っていました。

『小説を書くということは自分を切り売りすることだ』
『小説は如何にフィクションといえど大なり小なり私小説だ』

首肯したことを覚えています。
イヤに納得してしまって、頷くことしかできなかったという感じで。

その時既に私は自分なりの文章(小説もどき)を
書き始めていたから余計だったのかも知れません。

私小説というのは自分に起きた出来事を書いたものだけをいうのではないと先生は言いました。
文章には少なからずその人の人格や思想が反映されるのだということです。
だから、自分のことを書いたものでなくとも著者を現すものとして「私小説」と言ったのですね。

先生は昔、小説を書いていたことがあったそうで
でも自分の生活や思考、人生そのものを切り売りしなければ成り立たない
小説家という仕事が恐くなったのだと言っていました。
だから小説を書くのを止めたのだと。
今は主に文学関係の論文を書いておられるようです。

当時私はその先生と話すのがとても好きでした。
自分にはない世界に触れて、考えを聴いて
自分の前に新しい世界が開けたように感じていました。
体は小さかったけれど、とても大きな人でした。
今でも会って話したいなと思うことが時々あります。
短大を卒業してからは一度もお会いしていないです。

私は今も、少しだけ、文章を書いています。
自分を著すのは確かに少し苦痛です。
文章の端々に自分が存在し自己主張しているのを、見るに耐えないこともあります。
でも、少しだけ、文章を書いています。

それは多分、誰かに私を知って欲しいと思うからであり
そうすることによって自分が確立されていると信ずるからであり
書くことが好きだからであると思っています。

それに自分の生み出したキャラクターに愛着をもっているから。
つまりアレです。生みの喜びを知ったってヤツです(笑)


それでも。
確かに私は、文章を書くことの恐さを知っている。

そんな自分を昔はちょっと過信していたけれど
今は。

今は違うのだ。





……何か真面目になってしまったけど
有り体に言えば小説を書けない言い訳って感じ?(爆)


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明日香 [Fanatic Gene]


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