われ想う
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昨夜仕事帰りに、思いもかけない人と出会した。 それは、私が以前働いていた職場で、一番信頼を寄せていた人。 上京して、もう一度学生になることや、これからの不安。それでも諦めきれない夢。 それはそれはいろんなことを、少ない言葉で解ってくれる人だった。 その人が、目の前に突然現れた。 この広い東京で、しかも新宿のデパートの一角で(苦笑)、3年半前と変わらない姿で。
仕事中は、どんなことがあっても名字で呼ばれていた。 お酒の席や、ビジネスとは離れたところでは、名前に「ちゃん」付けだった。 昨夜会ったその人は、私を名字に「さん」付けで呼んだ。 他愛もないことだ。数年振りに会った以前の同僚に呼びかける、当然の結果だ。 でも、その小さなことが、着実な時間の流れを感じさせた。
ひとまずの目標は叶って、今は仕事をしていること。 署名原稿も、一度だけれど書かせて貰えたこと。
相変わらず、バタバタとしていること。 お盆休み返上で、来年のスケジュール調整のために上京したこと。
「変わらずお忙しいんですね」と、私が言い。 「忙しそうにしてて、僕も嬉しいよ」と、その人が言い。
「また、遊びにおいで」という言葉と一緒に、添えられたひと言。 「あんなに楽しそうに仕事を補佐してくれたのは、○○さんだけやったなぁ」。
帰宅後、ペン立てから一本の鉛筆を取り出す。 それは仕事の最終日。5日後には東京へ行きます、という日に貰ったものだった。 四角くて薄っぺらい扁平な形をした、とても綺麗な鉛筆。 「こんな鉛筆書きにくいわ・・・と思うやろ? でも持ってみると、緻密にデザインされてて どんな角度で持っても疲れへんし、痛くならんの。そういう人に、持っておいて欲しいから」 回りくどい言い方をするなぁ・・・と当時の私は思ったもんだが(苦笑)、 物事の考え方はひとつじゃないんだよ、 自分の想像とは違って、実はもっと奥深いものかもしれないよ、 そしてそうなるためには、しっかりとした基盤がないと駄目なんだよ、 ということを、この鉛筆を見ると思い出すのだ。
まったく変わってなかったからすぐ解った、と彼は言っていた。 ちょっと嬉しかった。会えてすごく嬉しかった。
そして、あぁ私はあの人が好きだったんだなぁ・・・と、確信した。
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