地徊営業日誌
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2012年05月22日(火) なんてこったい

すっかり日記書いた気になっていた小此木です、こんばんは。
昨日は道ばたで観察中のお姉さんがグラス貸してくださったので、金環日食見ましたよ!
えへへへ。

そんなわけで七班です(どういうわけですか小此木さん)
勢いに任せて日食ネタですよ。一部七班子供達に勝てないカカシです。


*** 今日の記念に ***

昇ったばかりのお日様は東の空、まだ低い位置にいる。
朝焼けを眺めながら、カカシ七班の三人は各の装備を確認した。
「水筒よーし!」
「日食めがねよーし!」
「……にぎりめしよし」
朝からハイテンションの仲間二人に幾分気後れしつつも、サスケも加わる。残る装備はただ一つである。
「「よっしゃぁ!」」
気合いを入れて、三人はかけだした。


はたけカカシは眠かった。任務を終えて里に帰りついたのは、朝日が昇る頃である。
(のに何で元気なのよ)
遠くから近づいてくる子供たちの気配に、どう対処しようか悩む。だが眠くて頭がよく動かない。今日は休みの予定なのに、いったい何事なのか。カカシは三代目に問いたくなった。
(まぁこのまま……)
放置でいいか、とカカシは腹をくくった。カカシが疲れていると分かれば、子供たちも引くはずである。あれで以外と分はわきまえているのだ。
玄関が開く。せっかくのセキュリティも家主が子供たちには無効にしているせいで意味がない。
次にくるであろう大声に、カカシは内心身構えた。勢いよく三人が駆け込んでくる。
三人分の体重がカカシの内蔵をおそった。
「ぐはっっ!」
ここ数年上げたことのない悲鳴をカカシがあげる。つぶれたカカシの上で、子供たちは元気に跳ねた。
「おっきろ!」
「先生、朝ですよ」
「……とっとと起きた方が身のためだぞ」
いくら子供とはいえ、三人揃えばそれなりに重い。よもやの攻撃に、カカシが救いを求めるように腕を伸ばした。だが攻撃は一向にやむ気配がない。
やむなく、カカシはベッドから脱出した。一番元気がよくて一番とろいのの襟をつかみあげ、カカシが唇を尖らせる。
「こーら。朝からなんなのよ、お前たち」
カカシの問いに悪びれる様子もなく、ナルトが満面の笑みを浮かべた。
「センセー起きた!行こうってば!」
やったと言わんばかりの返答に、カカシが唖然とする。ナルトの後ろからサクラが顔を出した。興奮を隠せない面もちで矢継ぎ早に言葉を紡ぐ。
「日食まで後ちょっとよ!急がないと」
日食、と言われカカシは最近の話題を思い返した。確かに今日は金環日食が見えると話題になってはいたが、それとこの奇襲が繋がらない。
「えーと。見に行くの?」
ご苦労なことだ、とカカシは欠伸をかみ殺した。確かに百何十年に一度のことだと言うから、お祭り好きの子供らが盛り上がるのもしょうがない。しょうがない、が。
「「行くの!」」
キラキラと目を輝かせてナルトとサクラが言う。じいっと見つめられ、思わずカカシは後ずさった。
「ええと」
眠い。正直眠い。疲れている。日食なんて興味がない。
カカシの心は決まっている。決まっているが、ナルトとサクラの心も決まっている。
己が割とまずい状態におかれていることにカカシは気付いた。ナルトとサクラの頭に、一緒に行かないという選択肢はない。
二人の後ろでサスケが小さく首を横に振った。あきらめろ、と無言で告げられる。
「…………」
無碍に断ってやりたい。だが、カカシはそれを実行できなかった。
正直に任務明けで疲れていると言えばことは済む。それだけの話だ。それだけの話ではある。
深い深いため息をカカシはついた。
「……五分待って」
「「はーい!」」
カカシの言葉に、元気よく返事が返ってくる。疲労感の残る体を引きずって、カカシは洗面台に向かった。



東の山をかけ昇れば、そこにはすでに先客がいた。
「おっそーい」
金の髪をなびかせ、イノが笑う。笑いながらサクラが駆け寄った。
「カカシ先生連れてこの時間なんだから、ほめてよ」
「しーらない。うちだってアスマ先生連れてきてるんだからね」
きゃっきゃと女の子二人が笑いあう。サクラたちに気づいた他のメンバーも振り返った。
「お。きたか」
「おっはよう」
「おはよう」
口々に挨拶を交わしながら、楽しそうに子供たちが混ざっていく。それを見ながら、カカシは欠伸をかみ殺した。
カカシに近寄り、紅が笑う。
「おはよ。よく来たわね。さっき帰ってきたところでしょ?」
山頂に今集まっているのは、七班、八班、十班のルーキーズだ。当然のごとく指導上忍も着いてきている。大木の下で二度寝を決め込んでいるアスマをうらやましいと思いながら、カカシは答えた。
「朝っぱらから奇襲くらいました」
「それはお疲れさま」
カカシの返答に、紅が小さく吹き出す。紅がいれば指導役は十分と判断し、カカシは地面に座り込んだ。
「ま、いいんだけどね」
朝日の下、カカシの大切な子供たちはとても楽しそうにしている。これはいい記念になるだろうとカカシは苦笑した。
「センセー!これセンセーの分!」
日食グラス片手にナルトがかけてくる。どうやら、アスマのように二度寝とはいかないらしい。カカシは潔くあきらめことにした。
別に日食に興味はないけれど、この子たちがそれで喜ぶというのなら話は別である。
「一番いいやつちょうだいね」
飛びついてくる体を受け止めるべく、カカシは両腕をそっと広げた。


だってせっかくの記念ですもの!

*******

仲良し仲良し。仲良し七班。カカシとサスケがナルトとサクラに勝てないのは仕方ないんです。四人でなごなご丸まってればいいと思います。


ではでは。すでに夏の原稿に終われているんですがどういうことなんでしょうね。自業自得というやつですね。さて、頑張って来ます。眠いです(起きなさい小此木さん)




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