『後は?』
『後は、何したらいい?』 今日はずっと、こればっかり言ってた気がする。
5時からのパーティーなのに、準備を始めたのは3時半からで、 お店の外の装飾も、中のテーブルセッティングも、何もかもが終わってなかった。
『私に手伝えることあったら、言ってね』 そう、Dさんには伝えてあったけれど、彼自身が忙しすぎて 私をオフィスまで呼びに来る暇も無いだろうと思って、 4時前に自分からレストランに行ってみた。
『・・・手、要る?w』 両手を前に出してグーパーと動かしながらDさんに聞くと、 忙しそうに動いていたDさんが、笑いながら私に「うん」と言った。
「そうだなぁ、それじゃテーブルにキャンドル置いてくれる?」 「その後は外の電飾をつけてくれるかな?」 「テーブルをこっちに置いて、クロスをかけようか」
それからそれから・・・やらなきゃいけないことは後から後から出てきて、 その度に私は『終わったよ。次は何したらいい?』ってDさんに聞いてた。
今まではGMや私が頑張ってきたけれど、今日はDさんが頑張る日だから。 私やGMがDさんに沢山サポートしてもらったから、 今日はDさんがちゃんと仕事をこなせるように、私も精一杯のサポートをする日。
パーティー会場に人がどんどん集まってきて、 「ビールの栓が開かないんだけど」 「コーラもらえる?」 「フォークはどこかな」 「ナプキン貰える?」 あちこちから色んな声が飛んできた。 バーのカウンターの後ろでドリンクを用意していたら 「今日はキミが働く日じゃないだろう?」と、本社の人に言われて、 『働いてませんよぉ?w』と、私。
余りにも会場が混雑していて、みんなとお喋りするのも大変だったし、 逆にバーに居ることで自然に沢山の人と喋れたから良かった。 ・・・みんな、一度はバーにドリンクを取りに来るからねww
9時半にやっとパーティーがお開きになって、 DさんとレストランのスタッフC君とBさんと一緒に会場を片付けて、 帰り支度が済んだのは10時半だった。
『帰る準備できた?』と聞くと、 「出来たよ」と、Dさん。
レストランの電気を消して、二人で駐車場の車まで歩きながら聞いてみた。
『私、ヘルプになったかな?少しは役に立てた?』 「十分過ぎる程、Shihoは頑張ってくれてたよ」 そう言って、Dさんが私の頭をなでた。 『そう?』 「うん。君は人の気持ちを読むのが上手いよね。 全部いちいち言わなくても色々とやってくれたから助かったよ」
ゲストのみんなも「良いパーティーだった」って喜んでくれてたし、 Dさんの役に立てて本当に良かった。
2006年12月20日(水)
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