夜明け前のような
明るい空から
零れ落ちてくる白い雪が
見上げた、瞼に積もり
視界が滲む
わずかな体温を奪いながら頬を伝う
これは、涙なんかじゃない
白いはずの雪が
淡く染まり
失くした思いを連れて来る
すべてを
覆い隠すはずの雪が
忘れると誓った記憶を暴き出す
こころ、ちぎれるほど
言葉、探せないほど
苦しくて息が出来ないのは
雪のせいじゃない
傷付いた時間は、流れることなく
息が、詰まる程の花びらに埋もれ
あの春に
離してしまったきみの手と
振り向かなかったきみの背が
何度もボクを訪れる
ねぇ・・・
伝えたかった言葉も
分け合えなかった熱も
雪に、消えてしまえばいい
雪が、奪っていけばいい
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