嗚呼!米国駐在員。
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2006年01月08日(日) 井口のWBC辞退について

ヤンキースの松井に続いて、ホワイトソックスの井口がWBC出場を辞退した。


ギーエン監督が早々と辞退を表明した時に、井口も辞退するんじゃないかな、と思っていたのが現実になった。

オフを過ごした日本では初の世界一選手としてチヤホヤされていたのかもしれないけど、こちらでは井口の知名度は地元であってもそれほどでもないし、結構試合には引っ込められていたりしていたので完全なレギュラーという事ではなかった。たまたま器用なバッターで、2番打者という役割がチームにぴったりフィットしたので出場機会が与えられたのだが、これが中長距離バッターを狙っていたならば、これほど試合には出られなかっただろう。

井口はメディアに対しても、‘俺はこんなもんじゃない。2番じゃなけりゃ、打率だってホームランだってもっとすごいんだぜ’というアピールをしていたし、実際に翌シーズンはは2番なんか嫌だ、もっと主軸を打たせろと、監督に訴えるのだろう。そうなると自分の実力で試合に出るには相当厳しいということが、自分でもうすうす分かっていて不安になったはず。大きいのも打てますよ、とかなりキャンプでアピールが必要になる。そんな時期に、日本代表チームで2番バッターなんてやってられねえよ、というのが本音ではないか。

そんな状況で辞退したのは分かる気もするが、日本という国から見ればこの辞退は国賊モノ扱いなのでは?と心配になってしまう。
松井と違って井口は一旦引き受けている。なんでこの時期に断るか。メジャー行ったからって付け上がるなよ、っていう思いをする人も多いだろう。また、井口は王監督には8年間も世話になっているはずで、その王監督にファックスで辞退を申し入れるとはちょっと失礼か(松井は手書きの便箋だったからなあ)。

井口だって日本代表で戦っていれば、シーズンに入って少々成績が悪くても日本の人からは暖かく見守ってもらえるだろうに。逆にイチローは間違いなく好感度アップ。まあ、松井の辞退でWBCに対する注目度が一気に下がってしまったから、もはやそこまで井口の参加に議論があるのかどうかは分からないが。


それにしても、WBCの日本代表は小粒だな。松井、井口が辞退。城島も出ない。オリンピックにイチローが加わっただけ。そういえばイチローがこの代表入りにノリノリだが、マリナーズはチーム崩壊状態だから、チーム一丸となって勝利に突き進む本来の野球にイチローは飢えているんじゃないか、と思う。こうなったら代表選手に親分役で、清原と金本あたり加わると面白いんじゃないかな。


いろいろ選手の個人的事情はあったのだろうが、メジャーで活躍する一流選手が日本代表でプレーする姿が見たい、というのはファンからすれば当然の事だ。
その意味で、今回の辞退というのは本当に残念。
ドライにいえば、本人の自由なんだが、結局こんな事ではベースボールでワールドカップ開催は無理だな。

ちなみにアメリカでは、全くWBCの話題なんか出てません・・・。


Kyosuke