嗚呼!米国駐在員。
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2004年02月17日(火) プレジデントデイとは

この2、3日はイベントでほんの少しだけ街が賑わった気がした。
昨日までバレンタインデー、今日(16日月曜日)はプレジデントデイというナショナルホリデーで3連休。
連休はこれといった予定も入れずに、適当に好きなことをして過ごした。おかげで体力回復。

バレンタインは、アメリカでは男性が女性に対して愛情を表現する日らしい。
スーパーでは、おとっつあん達が、如何にも甘いだけのまずそうな馬鹿でかいケーキに、Happy Valentain!とチョコレートで飾り付けをしてもらって両手に抱えて家路に急ぐ。こちらのお父さんも大変である。止めるに止めれないだろう。最も、楽しんでやっている印象を受けるから分からないものだ。

今日16日はプレジデントデイ。
第16代大統領・リンカーンの誕生日と初代大統領・ワシントンの誕生日が2月なので、それぞれの間をとって2月の第3月曜日をプレジデントデイという祝日にしているところが多いようだ。アメリカは、全米一斉の休日は思ったより少なくて、今日も取引先は出勤のところが多い。

2人の大統領の名はよく耳にする。ジョージ・ワシントンに因んで名づけられたワシントン州がある。首都ワシントンD.C.も、彼の名に因んでいる。市、町、通り、学校、公園などの名前もリンカーンとワシントン両大統領にちなんでいる所は多いし、彼らの肖像は、切手、お札、硬貨になっている。

ワシントンといえば小さい頃いたずらをして、彼の父の大事な桜の木を切ってしまい、お父さんに問いただされたとき、彼は自ら悪さを認め「うそはつけない」と言った逸話が有名だ。当然それだけでなく、次の3点でワシントンは合衆国の建国を助けたといわれている。
第1に、独立戦争において13州が大英帝国から独立を勝ち取った時に最高司令官として戦った。第2に、1787年アメリカ合衆国憲法制定会議を開いた時、大統領を務めた。第3にワシントンは、合衆国において選挙で選ばれた最初の大統領であり、満場一致で選ばれたただ一人の大統領でもある。

リンカーンは、1809年ケンタッキー州の丸太小屋に生まれた。彼は、合衆国の16代大統領として選出された。もし、リンカーンがこの世にいなかったら、今日、合衆国は、一つの国家ではなく2つの国になっていただろうといわれている。リンカーンは、アメリカが歴史上、困難な時期に大統領を務めた。彼が大統領職につく直前に南部の7州が合衆国から離れ、独自の国家を築こうとした。これは南部同盟(Confederate States of America)と呼ばれ、ジェファーソン・デイビスが大統領として選出された。国家は二つに別れて南北戦争が始まったが、リンカーン大統領は戦いを収め国家を一つにした。
リンカーン大統領は、彼の民主主義の信念「全人類の平等とすべての人々のためのその戦い」によって、賞賛され人々の記憶にとどめられている。有名なゲティスバーグの演説は彼の理想を表現しており、現在もアメリカ人達にとって民主主義の永遠のシンボルとなっている。

アメリカは13州が大英帝国から独立してからたった約200年という歴史の浅い国。世界中からの移民で構成されるこの国が、その短い期間に世界のリーダーとなっていったのは、豊富な資源を背景に巧みな政治手腕をうまく発揮してきたからであろう。
アメリカ人は国民のリーダーとなった大統領を尊敬し、愛国心を育てることを怠らない。強い(ように見える)国家になるわけだ。アメリカがベストとは思わないけども、愛国心という意味で日本を振り返るとどこか寂しい気持ちになるのは否定できない。


Kyosuke