見せかけの自分はそっと捨てて - 2004年09月24日(金) ソレはある日常の光景 僕は地元の雑貨屋に出かけていた。 この店がが地元で唯一Gボンドを扱っている店だからだ。 いや、地元というのは適切ではないかもしれない。 このお店以外で扱っている店となると最早東急ハンズへと出向く以外には無い。 店の雰囲気は、多少の埃っぽさはあるものの品物が所狭しと並んでいる。 そしてその中で、Gボンドだけは扱いが低いのだろうか、コンクリート製の床にダンボールを敷きその上に無造作に積まれている。 僕がこの店の存在を知ったのは今年の春先の事だった。 コンビニエンスストアへ出かけた帰り、自宅へと向かう通り道で何の気はなくふとこの店の中を見たのだ。 ガラス張りの引き戸の中から店内を見た時に、先ほどの通りの光景、つまりは床に並べられたGボンドが僕の視界に入ってきた。 嗚呼その時僕はこの店を神の与えてくれた助けと思ったのだ。 というのも、当時製作していたラディカルグッドスピード、そして同時進行で製作したシェルブリットは僕自身の日程管理能力の欠如と相まってまさしく冗談の通じないほどに逼迫した状況へと追い込まれていたからだ。 そして調度その頃Gボンドの残量が僅かとなっていた。 Gボンドを東急ハンズへと買いに行く時間はおそらく無い。 となれば残るGボンドを節約しつつ使い、乗り切るしかない。 そう頭の中で結論付け、まるで戦場にて補給を断たれた兵士の如き心境であった。 しかしその店のGボンドは僕のそういった危機的状況を瞬時に打開してくれたのだ。 ─話を戻そう。 僕はいつもと変わらずにその店へと足を運んだ。 いつも通りのガラス貼りの引き戸、いつも通りの埃っぽい店内、そうすべてがいつも通りだったのだ。 ただ一点、Gボンドが無いことを除いては。 何故、何故無いのだ。僕の心は焦った。 そしてその心の中の想いはそのまま言葉となり僕の口から店の人へと発せられた。 するとその返事は余りにも、僕の焦燥とはかけ離れたところのあるかのようなそっけないものだった。 「ああ、アレは売れないから仕入れるのをやめたんだよ」 僕は言葉を失った。 そして何の罪悪感も無く放たれた次の言葉は僕の心に、さながらナイフの如き鋭さを持ち突き刺さった。 「ココのところ買ってくれるの、お兄ちゃんだけだったからねえ」 なんという残酷な話だろう。僕は気づくべきだったのだ、買ったときにすでにして若干の粘度を持ったGボンドであったことに。 店に行くたびに、Gボンドの数はただただ僕が買っただけ減っていたことに。 僕の脳裏に再度仕入れて欲しいとの言葉を口から紡ぎだすべきかという想いが生まれた。 だがそれは僅かな逡巡の後にあきらめざるを得ないという結論にたどり着く。 仕入れを頼むのなら一缶単位とは行かないだろうと判断したからだ。 もう長々と書いても僕の心を綴る事は出来ない。 故に最後は一言のみで締めくくろうと思う。 Gボンドねえよどうすりゃいいんだよぅ! -
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