+++ Rip Stick +++

2001年12月13日(木) 浮気と本気の境界線。

何でか、彼の「地方妻」の話になった。
「居るのか」と確認したら、彼が困った様に
「いや、今だから言うけど…」と言った。

いつもだったら、そんな事実がなければ
「何云ってるんだよ!」と怒って返して来る筈なのに
そうじゃないって事は、その噂が事実だと言う事。
その瞬間、自分でも予想もしてなかったけど涙が出た。
声を荒げたりした訳でも、罵倒を浴びせた訳でも無く
ただただ、本当に涙だけが零れた。

彼も驚いてたけれど、あたしも驚いた。
こんな事位で自分が泣くとは思って無かった。

彼だって男だ。
幾ら自称淡白だって、こう長い間何も無いってものおかしな話。
きっと何処かでつまみ食い位してるだろうと判ってるつもりではいたし
浮気位別段構わないと思ってた。
ただ、確実にあたしにばれない様に、上手くやってくれて
あたしに戻って来てくれるなら、それで良いと思ってた。

浮気と本気の境界線を、しっかり引いてくれれば問題は無かった筈。


結局あたしもただの女だった。



そうは言っても、少しの涙が出ただけで、直ぐに笑えたけれど。
で、彼の話をきちんと聞こうと促した。
彼の話はこうだった。

地方で可愛いと思った子が居たのは確か。それはあたしも知っている。
その子の強い誘いに、押しに弱い彼はまんまと乗ってしまい
結局呑みに行ったらしい。
その後、東京に来た彼女から再び誘いの電話が何度か入って途方に暮れた彼は
「本命ともまともに逢えてないんだから勘弁してくれ」と断ったらしい。
…体の関係は一切無かったらしい。


その話が終わってから、彼は何度も「こんな揉め事になる様な事
普通だったら話さねえだろう?黙ってるよ。誠実だと思わねえか?
なのに何で泣かれるんだよ〜」と嘆いていた。






ばかもの。
泣きたいのは(いや、泣いたけどさ)こっちだっつーの。
下らない噂に惑わされて、涙まで流しちゃって、あたしったら馬鹿みたいじゃない。
だいたい貴方、その「本命」が誰なのかも名前出してない所が怪しいってもんョ。





挙句「疑われて泣かれる位なら、ヤッておくんだった!」とか開き直ってるし。
「お前も嫉妬とかするんだ」とか真顔で言わないでョ。
今迄焼餅焼かなかった事なんて無かったじゃない。



これからだって多分そう。
だからもし浮気をするのだったら、一切あたしに感付かせないで。
他の女の影を微塵も出さないで。いつもと変わらずいつもと同じにあたしに接して。
そうして、いつでもその浮気相手とは別れられる様にしておいて。


それが出来ないのであれば、あたしを手放す用意をしておいて。









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