| 2003年09月07日(日) |
慶應らしさ(桐蔭学園vs慶応義塾) |
◇秋季神奈川県大会 2回戦 (保土ヶ谷球場第2試合)
慶應義塾 000 001 000 1 桐蔭学園 000 000 011× 2
試合後、一塁側の控え通路へ行くと、ベンチ裏から出てきた慶應義塾・上田誠監督とばったり会った。 「気が重いよ……」 それが第一声だった。 「負けたけど、ナイスゲーム」「よくやった」、そんな言葉が出てくるかと思っていたが、全く違った。表情は沈んでいた。 「勝つとしたら、1−0か2−1だと思っていたんだけど」 序盤、桐蔭の攻撃を凌ぎ、6回に1点を先制。8回表までリードをしていたが、残り2イニングで逆転された。優勝候補・桐蔭と互角の勝負を演じた。 「打てないよね、まだこの時期は。1年生が多いからね」 スタメンに名を連ねた1年生は6人。3年生主体の旧チームから、ガラリと顔ぶれが変わった。1年生の中には、昨年度の入試から採用された「推薦入試」により入学してきた生徒もいた。 『�|羈悖廓�の2学期の成績が38以上 �▲好檗璽弔篳厳殘未任慮加�な活動成績』 この2つをクリアーしていれば、1次選考は書類選考のみ、2次選考は面接と、学力試験をしないで合格を得ることができる制度だ。 良い意味でも悪い意味でも「慶應の野球が変わるかも」といわれている制度だ。超難関といわれる入試を突破してきた生徒と、中等部・普通部からの内部進学の生徒で作り上げてきた野球部に、「推薦組」が加わる。伝統校がいままでの伝統を引き継ぎながら、新たな道を踏み出す第一歩といっても言い過ぎではないかもしれない。 「推薦組」が加わった初年度、すなわちいまの新チームがどのような戦いぶりを見せるか。
序盤から中盤。慶應はピンチの連続だった。 初回、1死三塁。2回、2死一、三塁。3回、2死一、三塁。4回、1死二塁。5回、1死満塁。 先発左腕の中林は、角度のあるストレート、カーブを武器に、ピンチを凌いだ。 イニングが進むたびに、慶應ベンチが盛り上がる。1球1球に、ベンチから激励、指示の声が飛び。上田監督も、内外野に細かい守備位置の指示を送っていた。 慶應のベンチ。結構、好きだ。盛り上がり方がうまい。相手チームにとっては、イヤだと思う。加えて、スタンドには伝統校慶應を支えるオールドファンがいる。ベンチ外の選手たちもお揃いのグレーのポロシャツを着て(←ポロシャツというのが慶應らしい)、スタンドから選手に声援を送る。 ベンチ外選手の力、試合に出ていない選手の力。慶應の試合を見ていると、彼らの力が試合の流れを作っているような気にもなる。 うまいなと思うのが、ベンチからの声の掛け方。どうでも良いことは言わない。試合に出ている選手にプレッシャーをかけるようなことは言わない。 以前、上田監督が「ベンチの声がかえってプレッシャーをかける場合がある」と言っていた。それを思い出す。
6回表、慶應が先制点をとった。 1番谷地が二塁打で出塁。2番漆畑がバントで送り、3番平賀がタイムリー。理想的な形だった。 球場のムードは俄然、慶應に傾く。
6回裏、桐蔭はこの試合初めての三者凡退。7回裏には、1死一塁から3番田中の痛烈なライナーが、不運にもセカンド真正面へ。ダブルプレーとなった。球運が慶應に向いている……と思ったのだが。
8回裏、先頭の4番望月が安打で出塁。そして、土屋監督は主砲の望月に代走を送った(じつは望月、試合前のシートノックで・・・。詳しくはのちほど)。その後、送りバントなどで2死二塁のチャンスを作り、打席には代打の小松原。外角カーブ、内角カーブでカウント1−1としたあと、内角高めのストレートを詰まりながらも、ライト線に運ばれた。打球としては完全に打ち取った当たりだった。
そして、9回裏。2死一、二塁から5番藤川がサヨナラ打。内角カーブが外れたカウント0−1から、土屋監督が仕掛けたサインはエンドランだった。望月への代走といい、思い切った采配だった。 桐蔭ベンチは8回表、2死二塁で慶應の3番平賀を迎えると、敬遠を指示し、あえて4番の湯浅との勝負を挑んだ場面もあった。
慶應にとっては1−2の惜敗。7回、9回と大事な場面で送りバントを失敗する、細かなミスもあった。だが、夏の屈辱的な初戦敗退から、ガラリとメンバーが変わった新チームで、グラウンド、ベンチ、スタンドが一体となった「慶應らしい」チームをまた作り上げてきた。「らしさ」は失われずにいた。 1年生の多いチームだけに、今後に更なら期待が持てる。春以降を楽しみにしたい。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 桐蔭の試合前のシートノック。事件が起きた。 内野の練習をしているときだった。ショートがファーストへストライク送球。だが、ファーストが差し出したミットの横をすり抜け、送球の勢いはそのままに、望月の右側頭部へボールが直撃した。望月はしばらく呆然と立ち尽くし、その後ノックに入ることはなかった。県高野連の職員がきて、ベンチで治療するよう指示。ベンチへと下がった。 ボールが直撃してから、ベンチに下がるまで3分くらいあったと思う。なぜ、そんなに遅くなったのか。ある意味、ヘルメットをしていないので、デッドボールよりも危険だ。しかも、不意に来た送球のボール。当たりどころによっては危ない状態になるときもある(対処が遅くなったのは、多分誰も見ていなかったからだと思う)。 春の県大会では、桐光学園の吉田が同じような状況で前歯を折る「事件」があった。逸れた送球が、よそ見をしていた吉田の前歯にもろに当たった。 シートノックはじつはかなり危険です。気をつけましょう。
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<慶應義塾> (二) 谷地 (1年・篠津) 4−3 (遊) 漆畑 (1年・久喜東) 1−0 (一) 平賀 (2年・慶應普通部)3−1 1打点 (三) 湯浅 (1年・国立第二) 3−0 (右) 中島 (2年・宮前平) 3−1 走右 加藤 (2年・慶應普通部)0−0 (捕) 高橋 (1年・中の島) 3−0 (投) 中林 (1年・和泉) 4−0 (左) 大久保(1年・八王子第一)4−1 (中) 神山 (2年・慶應普通部)3−0
投手 ●中林 9回 11安打 4三振 4四球 2責
<桐蔭学園> (右) 長谷部(2年・蓮田) 5−1 (中) 上田 (2年・川中島) 3−2 (左) 田中 (2年・明徳義塾)4−2 (一) 望月 (1年・みたけ台)3−1 走 佐藤 (1年・旭北) 0−0 一 小川 (2年・金旭) 1−0 (遊) 藤川 (2年・調布第三)4−2 1打点 (三) 涌井 (1年・栃木陽東)3−1 (二) 榎本 (1年・青葉台) 2−0 打 小松原(1年・青葉台) 1−1 1打点 走 稲葉 (1年・上溝) 0−0 二 秋草 (2年・佐倉志津)0−0 (捕) 須田 (2年・沼間) 3−1 (投) 沖山 (1年・鴨居) 2−0 投 渡邊 (2年・明徳義塾)2−0
投手 沖山 5回0/3 3安打 2四死球 1三振 1責 ○渡邊 4回 3安打 2四球 4三振 0責
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