みのるの「野球日記」
==すいません、ちょっと宣伝です==

●『中学の部活から学ぶ わが子をグングン伸ばす方法』(大空ポケット新書)

新刊が発売になりました。
しらかし台中(宮城)の猿橋善宏先生の
指導法などが掲載されています。
詳しくは、大空出版HPをご覧ください。
http://www.ozorabunko.jp/book/gungun/

●『グラブノート』(日刊スポーツ出版社)
BBA梅原伸宏さんのグラブ本。構成を担当しました。
親指かけ・小指かけの結び方、グリスの入れ方など、
グラブをよりよくするための方法が書かれています。

*ツイッター始めました
@mino8989 です。

2002年05月06日(月) カブレラの超特大HRを奪った東京ドーム特別ルール

 1−1の同点で迎えた9回表。カブレラは日ハム先発シールバックの初球、内角ストレートを引っ叩いた。これぞまさしく打った瞬間、ホームランと分かる当たり。観客席からは「ウォ〜!」と大歓声。高々と放物線を描く、打球の行方を追った。打球の角度からいけばレフト後方にある看板の上部、あるいは看板よりももっと上、今まで見たことのないような超特大ホームラン。私は打球を見失わないように、じっと目を凝らした。

 打球音がしてから2秒後ぐらいだったと思う。怪人カブレラは考えられないことをやってのけた。じっと行方を追っていた打球は、何とレフト定位置よりも後ろの天井にを当たった。当てたというよりは、突き刺したという表現が正しいかもしれない。軌道と勢いを見れば、看板をはるかに超えた当たりだった。

 カブレラの打球は天井に当たると勢いを失い、レフトフェンス2、3m手前にポトリと落ちた。スタンドに突き刺さると思っていた観客は、沈黙した。打球が放たれた瞬間に沸き起こった歓声は、打球が天井に当たり、ポトリとレフト後方に落ちる間、時間が止まったかのように静かになった。

 西武ファンの私は嫌な予感がした。いつもホームランと確信した瞬間、走ることをやめてしまうカブレラの方に目をやった。打球が落下した瞬間、カブレラは案の定一塁ベース手前をジョギングしていた。しかも、悠々とベース一周を試みようとした。レフトに目を移すと、クローマーが中継の奈良原にボールを返球。「カブレラもどれ!!」と私は思わず叫んでしまった。カブレラは一塁コーチャーの苫篠に何やら叫ばれ、ようやく歩を進めるのを止めた。

 中継のボールがセカンドに戻ってくると、沈黙していた場内が一斉に沸いた。伊原監督がサード塁審のもとへ走り寄ると、ホームランを促す手拍子が場内に響いた。「あれ? 西武ファンこんなにいたの?」と思ってしまったほどだ。

 では、ここで東京ドーム特別ルールをおさらいしてみましょう。
�‖乃紊�フェア地域とファウル地域の区別なく、天井に当たった場合は、ボールインプレイで、落下した地点または野手が触れた地点で、フェアボールかファウルボールの判定をする。この打球を野手が地上に落ちる前に捕球すれば、打者はアウトとなる。
��打球が内野のフェア地域内にある天井の穴または隙間にはまりこんだ場合、あるいは懸垂物に挟まった場合は、ボールデッドとし、打者、走者ともに二個の安全進塁権が与えられる。
�B乃紊�外野のフェア地域にある懸垂物に当たるか、挟まった場合は、本塁打とする。
�ぢ乃紊�内野のフェア地域内の懸垂物に当たった場合は、ボールインプイで、落下した地点または野手が触れた地点で、フェアボールかファウルボールかの判定をする。この打球を野手が地上に落ちる前に捕球すれば、打者はアウトになる。
�ヂ乃紊�ファウル地域にある天井の穴または隙間にはまり込んだ場合、あるいは懸垂物に当たるか挟まった場合には、ボールデッドとし、ファウルボールとする。

 今日のカブレラの打球は�,謀�たる。結果、超特大ホームランは単なるシングルヒットになってしまった。
 三塁塁審の栄村はルールブック通りの判定をした。それはそれでもちろん正しい。でも、私は釈然とせず、怒りの気持ちでいっぱいだった。別に西武ファンだったからというわけでなく、明らかに誰が見ようと、とんでもない距離の特大ホームランだった。それが東京ドームの特別ルールで、ただのヒットになった。

 東京ドームの天井は最も高い地点で地上から62mある。施行した竹中工務店が、「強打者がフルスウィングした場合、角度40度で58メートルの高さまで上がる」というコンピューターの判断を基準に作った。完成時は「絶対に天井まで当たらない」と豪語していたらしい。
 でも、実際には近鉄のブライアントがスピーカーに当てる認定ホームランを記録したし、巨人の松井なんて2度も天井にぶつけている。コンピューターの基準なんて、使いものにならないのが現実だ。
 
 記録の神様・宇佐美さんのコラムによれば、2000年9月までドーム球場の天井に当たった回数は東京9回、大阪6回、ナゴヤ2回、福岡1回である。こんなにぶつかって良いのだろうか。設計ミスじゃないの?
 これからますます、年を経るごとにプロ選手の打撃力は向上していくだろう。筋トレ信仰も進んで行くし、怪力選手も増えるだろう。すぐに天井を高くするのは難しそうだけど、せめて今のうちに「東京ドーム特別ルール」を変えるべき!

 一塁に出塁したカブレラは、いつも以上にやる気が感じられなかった。「何でホームランじゃないの? やってらんねぇ!」という気持ちが120%出ていた。それが原因か分からないが1アウト二塁、鈴木健のショートゴロでサードへ暴走して、楽々タッチアウトに。カブレラのやる気が失わないことを、西武ファンとしては切実に願うばかりだ。

 それにしても・・・。カブレラの打球は何メートル飛んだのだろうか。もし、屋外球場だったら、どこの球場でも場外に消えていたことは間違いない!
 幻の特大ホームラン。GWの最後に、一生忘れられない軌道を見せてもらいました。


 < 過去  INDEX  未来 >


みのる [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加