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夢枕 - 2002年05月26日(日)

夢を見た。
小さな白い鳥を追いかける夢。
白い鳥を追いかける私。
手を伸ばせば、白い鳥の羽根や柔らかい身体に私の指先がかさる。
しかし、捕まえることはできない。
何度か私の手の内に鳥がおさまったが、それでも鳥は私の手の中から逃げ出す。
鳥は私の手や指先に触れるたびに、その小さな身体に生える羽を辺りに散らし、私の心をなお引きつける。
しかし、小さな鳥は私の手や指先に触れるたびに、衰え、弱り、力なくし………死んでしまった。
私は泣き、後悔した。
なぜ、あんなに綺麗な鳥が、私だけのものになると思ったのだろうか。
小さな鳥は、遠くから見ているほうが美しく、私の心をとても踊らせた。
私は、私が鳥に触れれば、鳥の寿命を縮ませてしまうのを知っていたのに…。
悲しく、自分のバカさ加減に嫌気が差したが、鳥を私の…私だけのものにしようと願った事に後悔はなかった。
ただ、どうしてもう少しだけ、鳥のことを考えてあげれなかったのだろうか。
…そう思った。

…こんな夢を見たから、彼に「早く帰ってこい」なんて言えなくなった。

もしかしたら、「小さな白い鳥」は彼だったのかもしれない。


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