加藤のメモ的日記
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2023年02月20日(月) 健康寿命を30年延ばす

2018年、性の健康を支援するテンガヘルスケア社男女600人に行った調査では75歳以上の男性10人に1人が現在も「マスターベーションを週1回以上している」と回答した。一方、高齢になるにつれて、オナニーに後ろめたさを感じ「自分の性欲は異常ではないのか」と不安を抱く人もいるという。

だが、30年以上にわたって患者を診てきた鴨岡泌尿器科の山大院長は、「以上でないばかりか素晴らしい」と語る。「自然な欲求に従った適度なマスターベーションが健康に悪影響を及ぼすとは考えにくい。罪悪感を持つ必要はありません。むしろ高齢夫婦のセックスでは、腰痛などの症状を悪化させたり、心臓に負担をかけるリスクも伴いもます。セックスによる性生活にこだわらず、マスターベーションすることも選択肢の一つと考えるべきです「(渋谷医師)

中高年以上の男性にとっては、オナニーは”元気のバロメーター”になる。「勃起は活力の源である男性ホルモン『テストステロン』の分泌が十分な証拠です。マスターベーションには、加齢に伴うテストステロンの低下が原因で起こる男性更年期障害やED(勃起不全)、射精障害の早期発見にもつながる自己点検なのです」

オナニーがもたらす健康の幅員は、男性機能維持にとどまらない。2004年のドイツ・セッセン大学の研究では、全身の免疫機能に益する可能性が示されている。川崎医科大学付属病院院長の永井医師が解説する。「マスターベーションで誘発した射精により、がん細胞やウィルスの病原体を攻撃するナチュラルキラー細胞の増加が示されました。論文では射精が免疫力の向上につながるのではないかと考察されています」

さらに射精後に増加するしあわせほるもん「オキシトシン」にも炎症抑制効果があり、免疫力向上が期待できるという。ストレスや不眠の改善にもつながるとされつ。

がん、心疾患リスクが減少

永井医師はオナニーや射精を我慢することによるこんなリスクも指摘する。「2016年に米・ハーバード大学公衆衛生大学院が発表した論文によると、月に21回以上射精する男性の前立腺がんリスクは、月4〜7回の男性に比べて220%も低かった。3万人超の男性群を18年間にわたって追跡した信頼性の高い論文です。

研究者らは、射精されず貯留した古い精液が発がん性を持ち、これが前立腺がんの原因になると考えており、頻回に射精したほうが良いと述べています。さらに、射精や勃起の頻度は、心筋梗塞や脳卒中などの新血管系疾患リスクにも関係するという。「別の研究では、週に2回以上の性向を行う群で心血管性疾患発生が少なかった一方、頻度が低いほどそのリスクが上昇していました。

性交頻度が高く保たれていること、すなわち勃起と射精が維持できていることが、発生率の低下につながっていると考えられます。射精は最低でも週1回以上、可能なら週5回以上を目指してもいい」(永井医師)社製の頻度を保つことで様々な健康上のメリットを享受できるということだ。

「ローション代わりにボディソープやシャンプーを使用すると、尿道に入って炎症を起こすことがあるので注意が必要です。また、高血圧で心疾患を持っている高齢者が興奮度の高い性的刺激ですると、血圧上昇や頻脈(にんみゃく)になり、突然死の可能性が高くなります」(同前)前出・渋谷医師も「あくまで無理のない範囲で行うことが肝要」と語る。


『週刊ポスト』9.2


加藤  |MAIL