加藤のメモ的日記
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2014年08月07日(木) ロシアがマレーシア機を撃墜

無慈悲すぎる独裁者

ふざけるなプーチン、世界はお前のものじゃない

全世界から非難を浴びてなお、この男は「無関係」を主張し続けている。一瞬にして奪われた300人の命。プーチンは今、犠牲になった彼らまでも、己の野望のために利用しようとしている。


いませ全世界の怒りが一人の男へと向かっている。男の名前はウラジミール・プーチン。これまで国際情勢を思うままに動かしてきたロシアの独裁者は、マレーシア機撃墜事件の責任を一切認めず、到底納得できない「ウソ」を吐き続けている。「アメリカ、そして西欧諸国は現在、ロシアを痛烈に非難しています。これまでロシアがウクライナの国内情勢を不安定にしてきた結果として、今回の惨事は起きた。それにもかかわらずプーチンの言動はあまりにも無責任すぎる。無慈悲かつ約束を守らない彼の姿勢を見て、アメリカはロシアと対決せざるを得ないという決意を固めています」(ハーバード大学政治学教授・オーレル・ブラウン氏)

マレーシア航空17便を襲った悲劇は、ウクライナ上空を横切り、ロシア領内にさしかかろうとしたそのとき起きた。ミサイル命中の衝撃と共に、機内に巻き起こった爆風。乗客のほとんどはその熱に焦がされた。爆風から逃れた人達も、四散する機体とともに上空に放り出され、気圧差により気絶。意識を失ったままバラバラと落下し、猛スピードで地面へと叩きつけられた。全てが一瞬の出来事。彼らには悲鳴を上げる暇さえなかっただろう。

旅客機に乗っていたのは、約300人の民間人。その中には著名な研究者を含む、およそ100人の「第20回国際エイズ会議」への参加者がいた。待ちに待った夏休みを迎え、アジア方面への家族旅行に出かける、80人以上の子供たちもいた。プーチンは撃墜に関与し、彼らの未来を奪い去った。その罪はあまりにも大きく、怒りに燃え上がった国際世論は容易に収まりそうもない。

日本株は暴落へ

筑波大学教授で、ロシア政治が専門の中村氏が言う。「現在の状況は、冷戦が終わった‘89年、それ以降の世界の最大の危機といえます。国際社会のパワーポリティクスを巻き込んだ、初めての闘いになる。これはもはや、第3次世界大戦の前夜である、といっても過言ではない」そうなれば当然、日本は日和見を続けていられるわけもなく、この争いの真っただ中に巻き込まれていく。外交ジャーナリストの手嶋氏は語る。

「安倍政権としては、北方領土解決の糸口を見出すため、なるべくロシアと明確な対立はしたくない。しかし国際社会の反ロシア体制が固まれば、そうはいっていられないでしょう。同調しない、ということはなかなか難しい」現に安倍政権は今、アメリカから「ロシア制裁に同調せよ」と、強い圧力を受けている。かってのイラン戦争のように、日本に対して「ショー・ザ・フラッグ」(旗色鮮明にせよ)と求めているのだ。その結果、安倍首相が進める集団的自衛権の「拡大解釈」適用の第1号が、このウクライナ派兵になる可能性も出てくる。

そして、世界的に戦火が拡大していくことになれば、グローバル経済は完全に崩壊する。まず、ロシアから全需要量の3分の1の天然ガスを輸入しているEで急激に景気が悪化し、その余波を受け、現在史上最高値付近にあるアメリカの株価も、奈落の底へ暴落していくだろう。

「そして一番割を食うのは日本です。アメリカ、ロシア、EU、すべての通貨が信用できなくなった時、最も安心して運用されるのは日本円しかなくなる。すると、必然的に円高になり、これまで安倍首相が躍起になって進めてきたアベノミクスは水泡に帰す。大不況の時代にいきなり逆戻りするのです」(前出の中村氏)世界の歴史は、たった一発の銃弾によって激変してきた。今度は300人の命を奪った「プーチンのミサイル」が、世界と日本の命運を一変させることになるかもしれない。



『週刊現代』8.9


加藤  |MAIL