加藤のメモ的日記
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厚労省がブチあげた「75歳から年金」の隠された狙い
田村厚労相がNHKの番組で口にした発言が物議を醸している。現在、段階的に65歳にまで引き上げられている年金の支給開始年齢を、個人の選択で75歳からに伸ばせる案を検討しているというのだ。「選択肢が広がること自体は悪くありません。しかし、本当の狙いは別のところにあると思います。すでに年金の支給開始年齢を68歳にまで引き上げることが検討されていますが、それを思い切って70歳にしたいというのが本音でしょう」(ライフカウンセラー紀平氏)
支給開始を70歳からにすると、国民に与える影響はあまりにも大きい。そこで政府はアドバルーンをあげて様子を見たということだ。それほど年金財政は切迫している。いや、事実上、破綻しているというのは、元大蔵省主計局官で、政策研究大学院大学名誉教授の松谷氏だ。
「年金を受給する人が増えて、保険料を払う人が減るわけですから、年々収支は悪化していきます。それでも年金制度をこのまま維持しようとすれば、近い将来、給付額を半分にするか、受給者を半数にするしかない。現在、月額5万円程度の国民年金を半額にすると、年金としては意味のないものになってしまう。制度を維持できたとしても、高齢者が暮らせなくなってしまえば、本末転倒です」
内閣府は「選択する未来」委員会を設け、、「70歳まで働く社会の実現」を提唱している。政府は高齢者を企業に雇用させ、年金の給付額を少しでも減らそうと躍起なのだ。経済アナリストの森永氏が言う。「70歳から年金を受け取る場合は、65歳で受け取る場合と比べて、月額が1.42倍になります。75歳まで繰り下げれば1.82倍となり、82歳を越えれば65歳から受け取るよりも得になります。しかし、75歳まで年金を受け取らずに生活できる人なんてほとんどいません。年金がなくても生活できる金持ちだけが得をする制度なんです。
官僚であれば、70歳を越えても天下り先でのんびりと働けるでしょうが、ほとんどの人は65歳を越えて楽な仕事などあるはずがない。金持ちだけが悠々自適の老後を送りながら長生きし、貧乏人は働き続けて、疲れきって早死にする。このままでは、そんな超格差社会が訪れるでしょう」2004年に「100年安心プラン」と謳われた制度改革はいったい何だったのか。
『週刊現代』5.31
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