加藤のメモ的日記
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東京のコンパクトな計画が高評価 不安視はマドリードの「経済」イスタンブールの「安全」
国際オリンピック委員会(IOC)は6月25日、2020年夏季五輪誘致を目指す東京、マドリード、イスタンブールの3都市の開催計画に対する評価報告書を公表した。東京は選手村から半径8キロ圏内に競技会場の85%、トレーニング施設の70%を配するなど、「選手村から大部分の会場の間を20分程度で移動できる」コンパクト計画を強調した。その点をIOCも高く評価した。競技会場を新設する場合も、新たな用地買収は必要ないとし、財政や輸送などにも良好な評価を与えた。開催ビジョンついて、「2011年の東日本大震災と、それに伴う津波災害から立ち直ろうとする国民に希望を与えること」とし、「津波の危険性は、地形や東京湾の形から大幅に減じられる」とした。」
これについてIOCはさらなる安全策のため「堤防などの新設も必要」と注文し、都民は災害や緊急事態に対し「よく訓練され、準備もでき、経験も豊富」と付け加えられた。また、震災直後に電力供給に多大な支障が出たが、現在は震災前のレベルに戻り、現時点でも開催に充分。「2020年に向けてさらに良くなるだろう」と太鼓判を押した。
一方で、ライバルのイスタンブールは隣国シリアとの内戦による安全面の不安、2016年に続いてついで争うマドリードは経済危機の影響を指摘された。100ページを超える報告書は、9月7日のブエノスアイレスのIOC総会で投票する約100人の委員の参考資料になる。
4年前の反省が生きる マイナス面が少なく、招致へ勢い
4年前のように、強みと自負した計画面に予想外の注文がついた時と違い、今回の報告書は東京にとってマイナス点の少ない内容となった。訴える「安心、安全、確実な五輪」が評価され、残り2ヶ月余りの招致レースで、ラストスパートに入る。選手村建設用地の狭さや、五輪スタジアム周辺の交通への懸念を示された前回の、2016年五輪誘致から計画を修正し、昨年の第一次選考で47%と最低だった開催支持率も上昇し、大きく見劣りしなくなった。電力供給や地震・津波対策の不安も解消され、経済危機を抱えるマドリード、安全面のリスクを指摘されたイスタンブールと比較して、「致命傷」となるような失点はない印象だ。
投票権を持つIOC委員の参考資料となる評価報告書は、必ずしも勝敗を左右しないが、前回はリオデジャネイロが報告書の高評価を追い風に誘致を勝ち抜いた。スイスで開かれるIOC委員への計画説明会を7月3日に控え、東京誘致委員会の水野専務理事は「報告書を精査したうえで、プレゼンテーションに生かしたい」と意気込む。
接戦になれば勝負を分けるのは、日本が苦手とする「外交力」とされ今夏の陸上や水泳の世界選手権も、貴重なロビー活動の舞台となる。開催意義が今一つ分かりにくい東京が、いかにIOC委員の心を掴むか。いよいよう正念場の戦いとなる。
◆開催都市の決定方法
9月7日の国際オリンピック委員会(IOC)総会で、約100人の委員が無記名で投票する。ロゲ会長と候補都市の国の委員は、参加しない。1回目で過半数を得る都市が出ない場合は、最小得票の都市を除外して2回目を行なう。この際、落選した国の委員は投票に加われる。2016年五輪誘致で、東京は2回目で落選し、決選投票でリオデジャネイロがマドリードを破った。
『西日本スポーツ』 6.26
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