日記のようなもの
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13年前の今日 平成2年(1991)3月1日金曜日
今でもよく覚えてる
当時、人より1年遅れの高校1年 実家を出て、東京の府中に住み 昼は工場で板金の加工をして 夜は定時制高校に通う毎日
普通に7時20分に起きてメシを食って チャリで5分の会社へ 普通に仕事して夕方に帰ってきて チャリで学校へ…
って、平凡な1日 ま、いつもと違うのって学年末テスト直前なのと 翌日が待ちに待ったバイクの納車だったってことかな?
そうなのよ! 4月から働いて金がたまった夏に免許を取って 金もないし、親に反対されているわで買えなかったのよ…
当時はヤマハのFZRが欲しくてね… 憧れのバイクだったのよ FZR! バイクに乗りたいと思うようになったきっかけを作ったバイクだからね…
で、当時現行だった90年型のツインプロジェクタータイプじゃなくて89年型のスラントした丸目2灯が欲しかったんす
一度12月にぶらっと行ったバイク屋で89年型400Rの新車が42万であったんす! で、何も考えていないお猿さんは思わず契約しちゃったんですよ ホントは250Rが欲しかったんだけれどイキオイで…
が、そんな現金なんぞ持ち合わせてなくてローンを組んだんだけれど、いくら会社員といっても就労1年未満の未成年… 審査がおりるわけもなく実家へリンリン・チクリコール
そっこーで親バレしてバイク屋に親父がのりこんで、ジ・エンド…w
ああ、香ばしい思い出♪ 何も知らなかった自分が面白すぎますw 知識のチの字もなかったね♪
で、またセコセコと金をためる毎日 仕事をしながらも外食、買い食いなどは一切しないで 月5000円のこづかいでヤリクリしてました 今考えたら信じらんない… そこまでして、バイクが欲しかったんよね…
そんな大事件も落ち着いた2月下旬に ぶらっと行った当時住んでいた家から一番近いバイク屋で 89年型の250Rの中古を発見! 登録されて半年、3000km走行で35万円! 『これなら現金で買える!』
つーわけで、貯金をバスっとおろしてお買い上げ〜 親にもバレずに納車の日を迎えることとなりました♪
で、ホント ダレにも言ってなかったんですよ 同居人にもクラスメイトにも で、土曜に乗って行って驚かそうとね♪ 納車予定日の3月1日は第1土曜日で仕事も休みだし!
もう、ルンルンでしたね〜♪
とりあえず、金曜の仕事も終わらせてテンションが高いので 原チャじゃなくてチャリで学校へ いつもは気分でチャリンコか会社の人にもらった原チャリ(ホンダ・パル)で通っていたんだけれど 明日はFZRで行くつもりだったし しばらく、FZRで通うつもりだったからチャリでの通い納めみたいなカンジでね ちなみに、都立高校は車・バイク通学禁止で見つかったら即停学ですw
で、学校について給食を食べて <定時制は学食で給食があるんです♪ 1時間目 今でも覚えています「理科」の時間でした 工業高校っておバカさんが集まるとこだから、専門教科以外の一般教科、パンキョーってヤツですね あくまでもオマケなんですよ 「化学」とか「物理」じゃなくて「理科」なのw つーか、ぶっちゃけて「物理」の先生しかいないから物理しかやんないんだけれどねw
で、ボクのクラスは電気科C組 A組、B組が機械科で30人ずつ C組が電気科、D組が電子科で15人ずつ で、専門以外の一般教科はC組D組一緒にやるんですよ ま、ほぼ同じクラスです
で、先生が入ってきて出席をとります まぁ、おバカさんばっかだから騒ぐヤツ、寝てるヤツ、マンガを読むヤツ
C組が終わって、D組 「大山〜、いるね〜」 「小野〜、いるね〜」 「加藤〜…」 『ヤツはまだきてねーよ! って、どーせヤツはいつも遅れて来るからそのうち来るよ』と、みんなで返す
で、そこで先生が 「加藤君ね ・ ・ ・ 死んじゃいました…」
!?
『おいおい、リャンリャン! <マンガ少年アシベに出てくる中華娘リャンリャンのパパそっくりだからw 縁起でもねーことカンベンしてよ あんな殺しても死なねーよーなヤツが死ぬわけねーじゃん!w 冗談でも怒るよ♪』
「えー・・・ 本当です。今朝バイクで車との事故で亡くなりました」
・
・
・
もうね、頭の中が真っ白になりました…
ドラマとかではよく見ることなんだけれど、なんだかもう・・・
とりあえず、机を蹴飛ばして職員室へ D組の担任を見つけて問いただす 「府中警察で会ってきたよ 即死だってさ… それが信じられないくらいキレイだったよ」と一言
すがる思いでアパートに電話をする 出ない…
バイクで来てる連中がアパート組と警察組と別れて確認しに行く
オレはこんな日に限ってチャリンコだったので学校で待機 浮かれてチャリで来た自分を呪いたくなる… じっとしていられないので先生連中から事実関係をまとめる
朝にバイクで仕事に向かっている最中に横道から飛び出してきた車を避けきれずに側面に衝突してそのまま飛ばされたまではよかったんだけれど かぶっていたフルフェイスのヘルメットのアゴ紐を締めていなかったせいでヘルメットも衝撃でとばされて脱げてしまってアスファルトで頭を強打 耳から血が出るほどだったのこと
その他の外傷はなくて頭部の損傷だけ ヘルメットがたまたま脱げただけで逝ってしまいました
アゴ紐を締めていたらただの接触事故でバイクは全損でも軽い入院ですんだのだろうにね
現場は多磨霊園の横(南) オレの働く会社とは浅間山という小さい山をはさんで1kmもないトコだった
外に確認しに行った連中が帰ってくる アパートは当たり前のように真っ暗 警察では門前払い もう事実を認めざるしかない状態でした
その後、授業をボイコットしたオレらに対して先生が配慮してくれたことぐらいしか覚えていない…
もう、いるべきヤツがいない あるべき顔がない そして、それは二度と戻らないということを思うとツラくてしょうがなかった…
この加藤君 もう下の名前は覚えてないや… 特に仲が良かったわけでもないんだけれど、ウマがあうヤツだった
秋田の田沢湖から大山ともう1人(名前忘れたw)と3人で出てきたバリバリのいなかヤンキー ダレに似てるって氣志團の綾小路 セロニアス 翔w そんなトウモロコシな髪型にシンナーで溶けて黒い歯 地元の高校をさっくりやめて東京に3人で出てきたらしい つまり1ダブ で、オレも1ダブ♪ クラス30人中、2ダブが2人、1ダブが5人ってことでなんか連帯感というか 「中学出たてのガキなんか相手にできねーよ! オレら1コ上だからサ」って、ちょっとつっぱってしまうお年頃だからねw 住んでいたトコも2kmほどしか離れていなくて(府中の浅間町と紅葉丘) 土曜の夜なんてよく遊んでた
加藤は88年型のFZR250とHiアップ-Rの2台のバイクを持っていたのでオレが原チャを手に入れる前はよく借りて出かけたりした
ま、だいたい府中のゼロヨンのギャラリーしに行ってたんだけれどね
そのあとはヤツのアパートで飲んだり、ビデオを見たり こうきたらHなビデオと思うでしょ? ところがどっこいディズニーが好きなヤツでしたw 人はみかけによらんねw
ヤンキーなクセに面倒見のいいヤツだった そりゃキレたらシャレになんなかったけれどね♪
つーかね、心残りがあるんす
ちょっと因縁というか行き違いがあったのよ ヤツが死ぬ2日ほど前の話、水曜かな? ま、バイク通学禁止でバレるとまずいんで学校から少し離れたトコにバイクを置くのは常識ってヤツで、帰り道だからそこまでチャリのケツに乗っけたんですよ ま、いつものことです♪
加藤「なぁ、KGW」 KG『なぁにぃ?』 加藤「オレのFZR買わない?」 KG『はぁ? ナニよ突然』 加藤「ニンジャ欲しいのよ 買い換えたいんさ」 KG『いらん!』<即答w 加藤「おめー、FZRほしいって言ってたじぁねーかよ!」 KG『オレが欲しいのは89であって、お前の88はいらん!』
って、そりゃそうよ! もうすでに89年型FZRを買っちゃってるんだものw 日曜に契約して土曜に納車なんだもん! でも、驚かせたいからナイショ♪
加藤「なんだよ、オレのFZRはクソバイクかよ!」 KG『そうは言ってねーだろうが!w』 加藤「てめー、ケンカ売ってんのか!」 KG『売ってねーだろw 耳クソつまってんじゃねーのか?』 加藤「お前とは話になんねー!」 KG『わりーやね〜♪』 加藤「おぼえてろよ!」 <ホンキで怒ってるw KG『あいよ〜覚えとくよ また明日ね〜♪』
って、帰るときに別れたわけで… 軽くいなしたわけだけれど、オレはちゃんとした理由をヤツに伝えていないわけで、軽くしこりを残した気まずい別れでした
翌日の木曜にはヤツは学校こなかったので これが最後の別れになりました
土曜に納車されてから、夜に学校で『実はあのときに買っちゃってたんよ〜♪ゴメンね』ってFZRを見せて謝ろうと思っていたんだけれどね
謝る前に逝っちゃったよ
きたねーよな オレ、まるで悪いヤツじゃんなぁ…
ケンカを勝ち逃げされた気分だよ ふざけんなよな・・・
その晩は、ほとんど寝れませんでした オレはこのまま明日からバイクに乗っていいのだろうか? もう、やめようか? やめたほうがいいんじゃないのか? って、それぐらいヘコんでた…
つーか、金は全部払っちゃってんだけれどね… 本体代、諸経費、に任意保険は当時年間16万! <もろにレプリカブームで一番高い頃 56万耳をそろえて納車前に払っちゃったのよね…
まぁ、そんなデカい買い物を不意にする度胸もないし… オレの1年間の結晶だもんね…
これが1週間早かったら契約なんかしなかったんだろうな…
そんなわけで、翌日の3月2日土曜日 曇っていた前日がウソのような晴天 めでたく朝イチでバイクを取りに行って納車
で、一番最初に行ったのはすぐ近くの現場でした… 引っかかれたように傷がついたアスファルト 撤去しきれていないガラスやプラスチックの欠片が昨日の事故から時間がたっていないことを物語っていました
現場の脇に納車されたばかりのFZRを置いて花を置く ヤツの職場から目と鼻の先ということで花がすでにたくさんありました バイクの死亡事故現場にバイクで行くってのは非常識きわまりないとも思うけれど、そうせずにはいられなかった 一番最初に報告しようと思ってたヤツだったから…
そんな13年前の3月1日の思い出・・・ 生まれて初めて友人を事故で失った日
13年って早いやね・・・ あの時、17だったオレも今は30になっちゃったよ 変わったこともあるし変わっていないこともある
うまく言えないけれど、13年前のあの時の気持ちは大事にしていきたいと思う そして、残されたものとしては逝ってしまったヤツの分もがんばらにゃならんよね…
そんなわけで、仕事が休みということもあって ブラっと高校時代をすごした府中まで行ってみました
って、長くなったからつづくぅ!
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