日々あんだら
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この写真はもう4年くらい前のなんだけど。
24年前の今日のことはよく覚えている。
良く晴れた寒い日だった。 僕は小学校2年生だった。 夕方の光に包まれながら帰って来たら、家の門のところでちょうどオトンの車が出てきた。 僕の横で止まった。じいちゃんとばあちゃんも乗っていた。 窓が開いてオトンが「生まれたぞ!女じゃ!!」と叫んだ。 そして窓を開けたまま、ものすごい勢いで車は出て行った。 ええー!おれも連れてってーーー!!と5歩くらい走って追いかけたけど、そこで諦めた。 男ばかり3人も生まれた後の4人目で、どうせまた男だろうと皆が思っていた。 妹ができた、って実感は全然湧かなかった。
家に帰って服を着替えて、僕は拗ねていた。 僕が着替えるのくらい待っててくれても良かったのに。 そしたら電話がかかってきて、出たら病院の看護婦さんからで「せんめん道具を持ってきて」って言われた。 僕はそれを「せんねん道具」と聞き間違えた。 妊娠中にオカンが「腰が痛い」って、毎日のようにせんねん灸を据えていた。 だからそれのことだと思ったのだ。 病院に行く大義名分ができたことにウキウキしながら、棚の上からいつもの「せんねん道具(笑)」を取って、 病院の方向に配達に行くトラックに乗せてもらった。 病院から100mくらい離れた大通りのところで車から降りて、暗くなって行く道を1人てくてくと歩いた。 病室に入って看護婦さんに道具を渡したら、オカンと2人で目をまん丸にして、それから爆笑された。 「洗面道具」なんて、ウチでは使わない言葉やったんやから。わかるわけがない。
初めての妹は、クシャクシャの顔で眠っていた。 女の子って言っても弟が生まれた時とあんまり変わらんな、って思った。 抱っこしたかったけど、「首が座っとらんからあかん」って言われて、 ほっぺたをツンツンするくらいで我慢した。 柔らかかった。 家族が増えるって、いつも新鮮な違和感を感じる。 いつも兄弟3人で遊んだりケンカしたりしてるのが4人になる。 しかも女の子が増える。 それってどんな感じなんだろう?って想像しようとしたけどできなかった。 隣でオトンが「この子は嫁にはやらん!養子を取るんじゃ!」とはしゃいでいた。
多分、兄弟の中で、妊娠した時に一番喜ばれたのは僕だと思う。(長男だし) でも、生まれて来た時に一番祝福されたのは間違いなく妹だ。
24歳おめでとう。
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