日々あんだら
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(PENTAX 6×7 + 45mmF4 + KODAK Tri-X)
僕には昔から1つの夢がある。 それは「いつもの」。 そう、行列なんかはできないけどひっそりと営業している旨いラーメン屋の引き戸を開けながら、 いつもガード下の決まった場所で営業している屋台のおでん屋の暖簾をくぐりながら言うあれである。
「おっちゃん、いつもの」
ああ、なんて甘美な響き… 常連、それは男の夢。 それを一言で端的に表現する言葉なのである。 正に男のロマン。
学生時代はそのロマンを追い求め、隣駅のラーメン屋に毎週水曜日に通っていた。 メニューはもちろんいつも同じもの。とんこつラーメンとキムチ焼き飯だ。 あれが「いつもの」で通るようになった時の喜びは10年経った今でも忘れられない。
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今の職場のビルの1Fに某シアトル系のカフェがある。 僕は毎日の昼休み社食でご飯を食べたあと、そこでコーヒーを飲むのが習慣になっている。 頼むのはいつも「本日のコーヒー」。そのホットのSサイズをテイクアウトカップでもらう。 (店内で飲むんだけど、テイクアウトの方が蓋があって冷めづらいのと、 急遽職場に戻ることになった場合にそのまま持って行けるから)
昨日も昼食を終え、そのカフェのレジの前に並んでいたら。 いつもレジを打ってコーヒーを入れてくれるおねーさんがいるんだけど、 彼女が僕の姿をチラっと見て、テイクアウトのカップ(S)を本日のコーヒーの注ぎ口に置くのが見えた。
まさか。
そして僕の順番が来る。 「本日のコーヒーのショートをテイクアウトカップで」 いつもの注文をいつもの順番で繰り返す。 するとおねーさんはニッコリ笑って、注ぎ口に置かれたカップにコーヒーを入れた。
こ、これは!!
「僕はもう『いつもの』で通じそうですね。(笑)」 冗談っぽくおねーさんに話しかけてみる。 「はい、大丈夫ですよー。違うものをご注文される時には向こうの方から×印をしてもらえれば。(笑)」 そこまでか!そこまでなのか!? ×印せえへんかったら、レジに着く頃には本日のコーヒーがSのテイクアウトカップでおれを待ってるのか!?
そして今日。 張り切って、でも表向きはさらっと言ってみました。(力んで言ったらかっこ悪い。笑) 「あ、いつもので」 「承知しましたー」
…ああ、いい!ヽ(´▽`)/ この甘美な響き。 常連の優越感。 (ちなみにそのおねーさんはちょっと好み。笑) 正に男のロマン。(笑)
東京に戻ってきてから2年。 やっと1つめの「いつもの」ができたのでした。 むしろなにも言わずにニッコリ笑うだけで本日のコーヒーが出て来るような気がする。(笑)
次はラーメン屋か屋台のおでん屋だ!! (でもいつも行くラーメン屋は食券制で、屋台のおでん屋は行ったことがない。笑)
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