備忘録
こば



 「幼い子の文学」

瀬田貞二 中公新書

「ナルニア国物語」や「指輪物語」の訳者として有名な瀬田貞二さんの講話を本にまとめたもの。ちなみに「冒険者たち」で有名な斉藤惇夫さんがその作業にあたっておられます。

瀬田さんは上記の児童文学の訳者として昔から知っていたのですがこういったものを読むのははじめてです。これがすっごく面白くてあっという間に読み終わってしまいました。できれば実際にお話してるところを聞いてみたかったです。

子供のための読み物について分かりやすく楽しく語ってくれています。特にことばのリズムについて語っているところは興味深くて、訳者でもある瀬田さんが英語のことばのリズムを日本語に訳すのに大変気を使ったんだろうなと思わせました。七五調が枷になって自由なリズムで詩を作ることが出来ない日本の詩について苦言をていしていたり。日本特有のセンチメンタリズムがあまり好きではないようでそれについても何度か言っていますね。読んでいていちいちなるほどなぁーということがいろいろあります。何が大事かということがしっかりとしているのでとても納得できます。

やはりイギリスの児童書を例に上げられることが多くてイギリスは子供のためのものがたりがさかんな国だということがわかりました。この講話が行われたのは20年以上前なのですが下地があるうえに新しい形を創造してきているこの国の方法を日本にも学んでいいものがたりが生まれることを望んでおられたのだと思います。

私はC・Sルイスの「ナルニア国ものがたり」が大好きで大きい本で全巻揃えるのが夢だったんですが場所と予算の関係上文庫版で揃えようかなと…今回いい機会なのでいま読み直したい気分が強いうちに買ってこようかなと思います。
なんだか岩波書店経営不振という話だし貢献しないと。



2001年12月05日(水)
初日 最新 目次