独り遊び
〜破片がみえますか?〜



2004年06月14日(月)

「愛子は、いい時代に生まれたよね。」
と、母がポツリと言いました。

「立派に育ったから、もう思い残す事は無い。」
「やっと肩の荷が降りた…やっとここまできたんだね…」
「日本中何処へ行っても、身一つで生きていける。」
「一生涯の仕事を持てて本当に良かったね。」
「何が起きても男に頼らないで、自分で自分の好きな道を選択していける。」

「お母さんみたいにはならないでね。」



「でも、おまえは平気で人を傷つけるから、注意しなさい。」

そう言いながら、母は泣いていました。

ショックで、何も言葉が出なかった。

今まで、自分の言動を振り返ってみると…
私は母を沢山の言葉や行動で傷つけてきた。
私は、母がどんな言葉を伝えればが喜んでくれるか、分かっていると同時に
母がどんな言葉や行動で一番傷つくかも分かっている。

私は絶対言ってはいけない言葉で母を何度も何度も汚してきた。

優しい言葉なんて、喜んでくれる言葉なんて…分かっているのに伝えようとしなかった。



母は、尽くして尽くして尽くして…
家族の為だけにとにかく尽くしてきた女性です。
そんな母を心の何処かで侮辱していた。
家族中心で、自分の事を後回しにする母に対して、イライラしていた。

社会の中で働いているってだけで、世間を知っている事になるのか。
社会の中で生きているって事で、何故、そんなに偉そうにしているのか。


家族の為に生きてきた母は、この先この広い家の中で、何を想い生きていくのか。
泣いている母の姿を見て…
取り返しの付かない後悔の想いと、自分の情けなさに血の気が引いてきた。

美しくて明るくてはつらつとしていた母。
そんな母の大切な時間を奪い取って、エネルギーを吸い取って、
私は呑気にヌクヌクと成長してきた。


「お母さんみたいな女にはなりたくない!!!」


「お母さんみたいにはならないでね…」


私は、最低の娘です。
そして、そんな母を置いて、逃げるように家を出るのです。


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アイコ [MAIL] [HOMEPAGE]

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