ネガティ部 May日記

2004年12月12日(日) 
思いがけないとこで休みを得てしまったので(単に寝過ごして行きそびれたともいう)たまには日記を。
いつも(の状態)なら寝直しにお布団へ直行、というところなのだけどなんたって日曜でしかも公休日なのだ。些かの罪悪感はあるがここは目をつぶっておこう。なんたって久しぶりの“その気”だしな。
つーことでネット上がった早々、捕まって映研活動をとのご指示が。
・・・うーん、私が観たものは羊さんも観てるしな。羊さんが触れてるならそれ以上はいいかなんて思っていたのだけど。




が、その前に別の話を。


羊さんに連れられてお人形を見てきましたよー。
正直言ってお人形さんは怖い。リカちゃんやぽぽちゃん(代表的な子供用抱き人形)ですらおっかなびっくりな私がなんでまた、というのはありながら誘われれば否やと言わないのが身上。その上腐ってるようなのでと評されてから自分がどうやら不貞腐れているのだと気づいた不甲斐なさから出かける気に。
苦手ではあるけれど、その昔ジュネに出てた某シモンさんの作品は確かに美しかったし、写真だけを見て嫌悪(少なくとも好意的でない)するというのも不公平きまわりなかろうということで。

小さなギャラリーには敷き詰められた白砂と薄ぼんやりした照明。
砂の上に横たわる少女たちはドームで守られ、或いは隔離されて永遠の夢を見ている。正面にはきっちりとドレスをまとい、強いライトの下厳しい表情で虚空を見据える少女。その足元には水の中打ち上げられた人魚のようにも見える少女たち。

怖いと思ったのは覗き込むまでの一瞬で、それ以後はちっとも怖いとか気持ち悪いとか思いませんでしたね。不思議。
彼女たちはどこにも無い虚空など見据えていなかったし、夢と現を彷徨う奇矯な存在でもありはしなかった。
正直なとこ第一印象としては取り澄ましてとっつきが悪い、とは思いましたけど。ここで連れが羊さんでなくて入館料に千円も払ってなかったらこんなもんか、と通り過ぎていたかもわかりません。
なんせギャラリーは小さかったし、なんとなく(売り場のように)並べて置いてあるだけだろうというタカをくくったイメージを持って入ったもんで、その作られた舞台が妙に作為じみたものを感じさせて気に食わないと思ってしまったもので。
でもそのうちに羊さんが「あの二人は仲良しだよね」と言い出したことで、私は自分の失態に気づきました。
私は物体として意識的に理解しようとしていたのです。(なんでこんなにつまらない文章の書き方をしているのだ私は)
あ、なるほど。と思ってしまえば後は簡単なこと。
彼女たちは私に耳で聞いてわかる言語ではけっして話してくれないのだけど、それでもずっといろんなことを思ってて、いろんなことを考えている。
同列に扱ってしまうと彼女たちはきっと怒るだろうけど、口を利かないという点でいえば犬猫や赤ん坊とさして違わない。そして彼女たちはそれらよりももっと表情豊かでひとの機微に通じている。
うっかり表情を読み違えようものなら怒るか、そっぽを向くか、もしくは一見寛容な無関心を装うだろう。
こちらが気付けば「そこに居る人」程度にはどうやら認識してくれるらしい。気づかなければ彼女たちにとっても通り過ぎる影にしかすぎない。
関心をこめて話し掛ければ煩がりながらも(返事はしてくれないまでも)幾許かの反応は示して貰えて私としては嬉しい限り。
だれだ?人形は気持ち悪いって言ってたのは。
思い出したのは藤原由美子の「観葉少女」。
口は利かないけれど自分の意思で動き、自分の意思で主を決める生き人形。人間はその生き人形のために振り回され、或いは幸福や安らぎを齎されるといったお話。
本当にそんな世界があるのだとひしひしと。
触れなくて残念だ〜とぼやきながら出てきた二人だけど、きっともし触れることができる状態だったら彼女たちは今頃ギャラリーなんかで缶詰になったまま居ることはできなかったんじゃないかな。私たちじゃなくても人攫いになってしまいそうな人はうじゃうじゃいると思われ。

あ、そうそう。
メインは大きい方たち(失礼な。や、サイズがね)だったんですけど、いわゆる抱き人形サイズの方々(年齢はこちらのが上)が隅っこに居てらっしゃいまして。
そのうちのお一方と目が合うという光栄に浴しました。
頭を動かしてみても全然目を離してもらえなくて(うっ・・睨まれてる)とびくびくしていたら横で羊さんが笑ってはるよーと。
もっかい一巡して戻ってきたときにはもうこちらは見てなくて、目線を合わせようとしてももう興味を失われてしまったらしい。ちと残念。
それでも帰り際、ご挨拶にもう一度と近寄ると今度はなんだか苦笑のような表情で笑ってらっしゃいましたよ。あははしつこくってごめんなさいー。

そんなこんなですっかりお人形さんの虜になって帰ってきてしまいました。
いい経験、には過ぎるほどいい出会いをさせてもらいました。
またいつかどこかで機会があったらまたお会いしましょうかわいいしと(笑)


     
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