ぶつぶつ日記
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| 2003年10月23日(木) |
青いフォルクスワーゲンで、旅立ってから |
もう、ずっと昔、まだ、彼が若かった頃。 クウェートで成功していた。 家には真っ赤なスポーツカーとベンツもあって。 でもある日、まだ若かった彼は、それらを全て処分して、 青いフォルクスワーゲン(ドイツ語でわれわれの車という意味)に乗って、 旅立った。 クウェートから、パレスチナへと。 一体何日かけて? 自分たちの生まれた土地を、取り戻すために。 正義に燃えていた。 理想にも燃えていた。 青いフォルクスワーゲンにも、希望が詰まっていただろう。
それから。 権力を握った。 世界を相手にしてきた。 けれど、青いフォルクスワーゲンに詰まっていた、 希望はどこに行った?
彼は年を取り、何もかも統制する力を失いつつある。 彼が与えてきた希望は、もう光り輝かない。 市街地を飛ぶ爆撃機は、日常の姿になり、 少年だけではなく、女性ですら、 子供を宿す代わりに、おなかに爆弾を宿し、 相手方に突っ込んで行く。 そしてまた、繰り返される空爆・・・。
アラファトが青いフォルクスワーゲンで旅立ってから、 もう何十年が経った。 でも、いまだに、 パレスチナは取り残されたまま。 希望は飢え、憎しみが肥える。
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