ぶつぶつ日記
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2003年06月23日(月) 悲しいて貧しい、「心の支え」

むしろ、イラクの人々の言葉よりも、
米兵たちの言葉の方が、やりきれなさを誘う。
戦争は終わった「はず」。
自分たちは国に帰れる「はずだった」。
解放者としてイラク国民の人気者になる「はずだった。」
でも、今彼らがいるのは自分の家ではなく、
そうして暖かく彼らを受け入れてくれることのない、
敵意に満ちたイラクという国だ。

夜な夜な浮かんでくるのは、
切断された赤ん坊の死体であり、
焼け焦げた肉体のにおいであり、
いつ殺されるかわからない恐怖であり・・・。
本来疲れて何もしなくても眠れるはずなのに、
そんな体に鞭打って
無意味な仕事を夜もし続ける。
例えば、キャンプの裏にプールを作るようなこと。

ほとんどの兵士は10代後半から20代。
医者は彼らをイラクから国に帰すこと、
それしか彼らが狂気に転がり落ちるのを
止める手立てのないことを知っており、
そういってもいるが、
彼らはまだまだ帰れない。

そんな彼らの唯一の支えは、
ワールドトレードセンター。
そこで死んだ人々のこと。
その正統的な報復のため、
自分たちは正しいことをしているんだという、
たった一つの悲しくて貧しい、心の支え。
しかし少なくとも911時点では、
アルカーイダとイラクを結びつけて考えられる
決定的な証拠はなかった。
むしろ、アラブでも屈指の世俗政権であったイラクは
アルカーイダの攻撃対象ですらあった。
でもそんなことを彼らは知らないし、
そんなことを彼らは知りたくもない。

そしてもうひとつ、
ワールドトレードセンターでなくなった
3000人あまりの「報復」のために、
アメリカとその強力国はすでに、
アフガンとイラクで、
それ以上の民間人を殺していること。
そんなことも、イラクで眠れぬ夜を過ごしている
兵士たちは聞きたくないだろう。

そんな場所に、日本からも人が行く。
そうして同じようにイラクの人々の悪意にさらされた時、
日本人兵士たちは、
一体何を心の支えにするのだろうか。


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