ぶつぶつ日記
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普段より大分遅く駅に着いて外に出ると、 何かがいつもと違う気がする。 落ち着きなくきょろきょろと空を見上げると、 どうやらうっすらと、靄(もや)がかかっているようだった。 本当にうっすらと、わからないくらいに。 何を感じる。 何かが気になる。 この空気の匂いを知っている、と思う。 この町で生まれ育ったから知っていて当たり前なのだが、 そうではない。 もっと違う、どこか遠い場所の匂い。
家に帰って、お風呂に入って、 実家から自分のねぐらまでは30秒ほど。 サンダルをカラコロ言わせながら、 まだ気になって空を見上げる。 ふと、気がつく。 ああ、この空気の感じ。 知っている。 それはカイロの冬の匂い。 昼間暖められたナイル川の水が夜や明け方には靄になる。 その匂いと同じ。 もうすぐ、カイロにも秋と冬がいっぺんにやってくるのだ。
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