ぶつぶつ日記
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2002年04月17日(水) 幻のベツレヘム

エルサレムからベツレヘムまで、
そのローカルなアラブバスはコトコト進んだ。
調度中東和平プロセスが進み始めて、自治区が出来ていた頃で、
検問所もなく、私たちはまるで隣街に行くように(実際に隣町、だろう)、
のんきにバスに揺られていった。
ベツレヘムのバス停でバスを降りても、
エジプトのように客引きや子供たちが近づいてくることもない。
聖誕教会はどちらに行けばいいのか、
誰に聞いたらいいのか私たちはきょろきょろしてしまったくらいだ。

青い空に、パレスチナの旗がいくつもはためいていた。

聖誕教会に入るとミサの最中で、
障害を持つ弟を連れた美しい姉妹に話しかけられた。
彼女たちはカソリックのアラブ人で、
パレスチナ自治区に住むパレスチナ人、
エルサレムなどに住むアラブ系イスラエル人が
彼女たちと同じように日曜日にここに来て、
祈りを捧げていた。

ナブルスまで行かないか、という押しの弱いタクシーの客引き達、
市場には人が溢れ、
日本人をあまり見たことがないのか、
おばちゃんに「フランス人?」と言われ苦笑し、
ぶらぶらと街を歩いて、それだけの一日。

ベルレヘム攻撃、と聞いたとき、
だから私はピンとこなかったのだ。
あののどかそのものの街、
私が普通に歩いていた道を戦車が走っている。
それは遠い悪夢のような光景だった。
聖誕教会の壁に飾られていた、
聖フランチェスコが鳥と戯れているあのレリーフはどうなったのだろう。
せまい、ぎゅうぎゅうに店が並んでいた市場は?
広場の横にあった、パレスチナの自治警察署は?
道を聞いたサイダリーヤ(薬局)は?
そして、あの時出会ったあの美しい姉妹は?
危険な目に遭っていないだろうか、
傷ついてはいないだろうか?

私が見たベツレヘム。
その姿こそが本当の姿だと思いたい。
今の、イスラエルに蹂躙される、ベツレヘムではなく。


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