ぶつぶつ日記
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| 2002年01月29日(火) |
兵役を拒否する、イスラエルの高校生たち |
イスラエルの高校生たちが、兵役を拒否するという手紙を政府に出したそうだ。 もちろん、これまでにも兵役を拒否した若者はいるが、 これだけ組織化された兵役拒否は、イスラエルでは初めてだそうだ。
イスラエルは世界でただ一国、 女性にも兵役を義務付けている国である。 高校を卒業すると、彼らは兵役につく。 ホロコーストの時のように、そしてそれよりももっと昔のように、 ただただ殺されるのを待つのではなく、 追い出されることに甘んじるのではなく、 自分たちの力で国を守る。 だまって殺されるよりは、たった一人になっても戦うこと。 イスラエル「建国」時より、それが至上の命題になっていた。
しかし、ホロコーストの記憶は、いくら教え込んだ所ですでに遠い。 遠い記憶になりつつある。 「被害者」としての哀れな姿を、自己の記憶としてとどめている世代は、 すでに残り少なくなっていて、 その反面、イスラエル建国時のアラブとの戦いも知らないような、 「戦後世代」がイスラエルにも増えている。
そしてこの時代、イスラエルの若者たちは、 テレビで、そしてインターネットで、 「加害者」たるイスラエルの姿を、見ないですむことは難しい。 ほとんど裸身で、死に向かって突進してくるパレスチナの自爆テロ。 報復のため、完全武装でパレスチナの住宅地を蹂躙するイスラエル軍。 本当は、彼らだって自国のそんな姿を見たくはないはずだ。 しかし、全ての情報をシャットアウトすることは出来ない。 見たくないものを見ないですむ時代も、 やはり遠くなっているのかもしれない。
すでにイスラエル抜きのパレスチナも、 パレスチナ抜きのイスラエルも、 どちらか片方があの場所で生きることは出来ない。 どちらもが、あの場所で暮らしていかなければならないのなら、 どちらもが同じ分だけ痛みを分かち合うことが必要だろう。 (そのためにはパレスチナの状況を性急に改善する必要がある。)
「パレスチナ人を傷つけることは、イスラエル人を傷つけること。」 そう言って兵役拒否の手紙を書いた16歳の女の子の、 凛としたまなざしに、かすかな希望を見る。 そして、彼らの気持ちが、パレスチナ人の若者にも届いて欲しい。
「イスラエル人を傷つけることは、パレスチナ人を傷つけること。」
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